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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-01-26 11:12:18.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『決意の夜に』その25

※Ver.4のネタバレを含みます。ご容赦下さい※

ごうけつぐまの右眼を縦に切り裂く刀傷は随分と古いもの、しかし、目の前のヒッサァから漂う、その傷を付けたオーガという種族の匂いに痛みと屈辱を思い出し、興奮していた。

血走った黄色い瞳がギョロリとヒッサァを捉える。
金縛りにかかってしまったように身動きの取れないヒッサァに向かい、一歩一歩、地を揺らしながら歩み寄った。
逃げなくちゃ、と脳は警鐘を鳴らすが、まるで身体と切り離されてしまったかのように身動きが取れない。先程の雄叫びで完全に腰が抜けてしまっていた。

感覚だけが暴走して、スローモーションに見える光景の中で、自分に向かってごうけつぐまの爪が迫る。
「ぴきーーーっ!!」
やがてヒッサァを切り裂くはずだった凶爪は、間に飛び込んだスライムを弾き飛ばした。

血のかわりに水色の粘性体を撒き散らしながらスライムは地に転がる。
ただ呆然とするしか出来ないヒッサァを守ろうと、何度となく振るわれるごうけつぐまの爪の前にスライムは飛び込み続ける。
いつしか友の輪郭が崩れ、バブルスライムのように溶け出し、遂にはふるふると震えるのみとなってようやく、ヒッサァの身体が動く。

今度は自分が守るんだと、傷付き動けなくなったスライムの上に覆い被さり、しかし払い切れぬ恐怖からギュッと目をつむった。

情けも容赦もなく、幼いヒッサァの背に爪が振るわれようとした刹那。
矢の如く飛来した不死鳥のやりが、大きく開かれ牙を剥き出したごうけつぐまの口を真っ直ぐに貫いた。

地響きをあげてごうけつぐまが倒れてなお、ヒッサァはスライムを抱き締めたまま震え続けている。
駆け寄ったヒッサァの祖父は、その肩に優しく手を置いた。
「もう、大丈夫だ」
穏やかな声にようやくヒッサァは身を起こす。

孫の無事を確認すると、スライムに深々と一礼。
「孫を救ってくれて、ありがとう。…間に合わなくて、すまない」
投擲の射程ギリギリに近づく事が出来るまで、孫を守る為まさしく死力を尽くして戦ってくれたスライムを、そっと抱きかかえる。

その祖父の一連の行動と、間に合わなくてすまないという言葉、そして何より、祖父の腕の中でピクリとも動かず、声も発しない親友の姿。
理解が追いつくより先に、涙がヒッサァの頬を伝った。

「…強くなれ、ヒッサァ。誰かを倒すためじゃない。勇敢だったお前の友のように、誰かを守る為に、強くなれ」
その日ヒッサァは、友の勇気と祖父の言葉に、本当の強さの意味を知った。

「………ぅ」
未だに胸を刺す幼き日の悔恨から目覚め、ようやくうっすらと開いた目に、部屋の隅に立て掛けられた祖父の槍が映った。
祖父からヒッサァへと託されたものの、自分には相応しくないと辞退したのだが、周りがそれを許してくれず、仕方なく託せる人物が現れるまではという条件を付けてヒッサァが預かっているのだ。

それがあるということは。
「ここは…宿屋…か…?」
2、3度瞬きをすれば、より鮮明に景色が飛び込んでくる。
ここは根城にしている宿屋の部屋に間違いはないようだ。

「そうだ!オーブを…ん?」
ポケットに入っていたはずのオーブと計測装置がなくなり、代わりに入っていたのはハクトの手書きのメモだった。

『あとは、任せてください』

ヒッサァの判断に間違いはなかったようだ。
ハクトはヒッサァの狙いを正確に掴み取ってくれている。

「…やれやれ、男子3日会わずばと言うが、成長し過ぎだぞまったく」
相棒にすっかり置き去りにされているようで、気恥かしくなる。
「うかうか寝てる場合じゃないぞ、ヒッサァ!」
自分に活を入れ立ち上がる。

しかしやはりダメージは大きく、ふらつく足で何とか祖父の形見のもとへと歩み寄った。

一族最強の男の証。
周りがそうだと認めようと、誰よりもヒッサァ自身が認めてはいない。

だが今は。

「偉大なる祖霊達よ。その力をどうか、この若輩者にお貸しください」
不死鳥のやりを掴むと、すっからかんの身体に、力がみなぎる感じがした。

ヒッサァの目覚めと同時、新しい主に寄り添うように、祖先伝来の不死鳥のやりが聡明で心優しき王の如きシルバーとうすあいの姿へと変貌を遂げていたのだが、当のヒッサァも含め、その変化に気付く者はいない。
奇しくもそれは、遥か遠くナドラガンドにて、盟友ユルールが妹ユメルから、エテーネルキューブを託されたタイミングであった。
                      続く
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