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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-02-01 13:38:32.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『決意の夜に』その28

「この…ブタ猫…!」
両足で蹴り上げ、ミアキスを振り払う。
蹴りが効いたというよりは、ミアキスの方から跳んで離れた。
背中ですら隙の無かった相手が、悠然とこちらを見据え構えている。

「ああ、その罵倒も久々だねぇ。前回はゲルト海峡に吊るしてやったっけ」
今度はどんな御仕置きをしてやろうかと、ミアキスはカッカッと牙のような歯を覗かせて笑う。
「虐待です、よ!!」
正中に打ち出した拳はまたもや空を切る。
「そうやって闇雲に打つ。相変わらず、なっちゃあいないねぇ」
声は真下から。
四足獣のように沈み込んだ姿勢のミアキスと視線が克ち合う。
背筋にぞっと怖気が走った次の瞬間には、地面すれすれから発射された掌底に顎を打ち据えられ、イルマの身体は綺麗に宙を舞った。

大きく吹っ飛び、大の字に倒れるイルマ。
誰の目から見ても明らかな優劣、しかし次の瞬間、ミアキスは膝をつく。
頭を振り、再び立ち上がろうとしたが、たちまち無様に土を舐める羽目になった。
「やりやがったね…このクソガキ」
「やはり、師匠の気は、私の身体によく馴染む。ありがとうございます。少しは楽になりました」
すっくと立ち上がり、パンパンと服を払い砂を落とすイルマからは、未だ僅かに呪炎は残るものの、先程までの苦しそうな様子が全く消えていた。

ミアキスの拳によるダメージは勿論ある。
ヒッサァに打ち込まれた拳よりもよっぽど激しく患部が痛む気がするくらいである。
しかしミアキスの拳が触れるたび、イルマはそこからミアキスの気をごっそりと齧り取ったのだ。

その昔、イルマの命を繋ぐために結ばれたミアキスとイルマの気脈。
母と娘の繋がりの如きその道が、ミアキスにとっては仇となってしまった。

「…一体、何が…?」
これだけの騒ぎだ。
目が覚めてしまったのだろう。
壊れた扉の傍らで、イザベラが恐る恐る二人の様子を伺っていた。
「馬鹿っ、…早く逃げな!!」
大地が高速で回転しているような激しい目眩で身動きの取れないミアキスの言葉が届くよりも早く、イルマの身体は獲物に飛びかかる虎のように、イザベラに向かい宙を駆る。

さながらミアキスに地に叩きつけられた時のように、今度はイルマがイザベラを虎酒家の床に押し倒す。
その右掌は牙のようにイザベラの首に食い込み、あらん限りの力で絞め上げた。

「か…は………く…ぁ」
右腕は無骨なブーツに踏みしめられている。
動かせる左手でイルマの腕を掴むが、鍛え上げられた身体はぴくりともしない。
(苦しい…この人は一体どうして…いや…待って…この子は…)

イザベラは、酸欠で霞む視界、自分を激しい憎しみの目で睨む女の顔がぼやけ、その彼方に、懐かしい面影を見た気がした。

どくんと身体の奥で、何かの鼓動が鳴り響く。

思い出してはいけないと、早鐘のように頭が警告を鳴らし続ける。
しかし、堰を切ったように記憶は止め処なく溢れ出す。
イルマの憎しみを焚べられた呪炎が勢いを取り戻し、イルマの身体を伝いイザベラを侵食していく。
それが、最後の一押しになった。

この子は、イルマ。
私の可愛い子供たちの一人。

そう。
あの日、この子の目の前で。

とうに、私は死んでいるのだ。

イザベラとしての意識が完全に闇へ沈むとともに、未だ首を絞められているものの、息苦しさは消え果て、骨の軋む痛みも霧散する。
人ならざる、実体を持たぬ身に、そのようなダメージは存在しない。
それら全てはイザベラの記憶に引きずられたことによる錯覚である。

激情に駆られるイルマは、今はイザベラの胸元に下がる親の残したペンダント、かつて初代クマヤンが施した封印の礎に、致命的な亀裂が走っていく事に気付かない。
身体の主導権を取り戻した影を祝福するように、封印は完全に破られ、闇が爆ぜた。
                      続く
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