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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-04-23 08:29:15.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『アカックブレイブ・デュアル』その26

はたして地上に舞い戻り、ケルビンとの邂逅を経て。いつの間にか降り出した雨にうたれ、ココソーはすっかりずぶ濡れになっていた。
さりとて、立ち上がる気力もない。
「………探したぞ、姐御」
差し出された傘が、雨を遮る。
ようやくその段になって、ココソーは重たい首をもたげた。

「…戦況は芳しくない。貴殿の転移から3日が経過している。あの後、ケルビンの介入によりドルセリオンは奪われてしまった。一時撤退へ追い込めたのは僥倖であったが、ドルセリオンが運び込まれたと思われるガタラ原野には今、マシン系モンスターが集結し、大軍団を形成している」
ドルバリオン、そしてドルセリオンとも融合を果たしたユートピアは、その権能をより進化させ、既に目的を果たすべく行動を開始していた。
その支配域は、ドワチャッカ大陸全土に及んでいる。
「…姐御。貴女の協力が、必要だ」
伸ばされた掌。
そこにはまだ、ココソーが振り回したケラウノスによる切傷が痛ましく残されている。
「貴殿を探す為に、フタバは大陸レベルまでセンサー精度を引き上げた。過大なエネルギー消費と負荷により、向こう一ヶ月、戦闘機動は不可能である。その穴を埋める意味でも、協力を期待する」
しかし沈黙はたっぷり数分は続き、雨の音だけが響く。

やがて細々と、ココソーは重い口を開いた。
状況の悪化には、自分も一因がある。
せめて、彼らの期待に応える資格など自分には無いことだけでも、伝えなくてはならない。

「………頼る相手を、間違えている。…私は、ココソー。君たちの知るアカックブレイブとは違う。………違ったんだ」
ココソーという名と、憔悴しきったらしからぬ様子に、ケラウノスはアカックブレイブが未来から来たとしても説明のつかないいくつかの事柄を解消する、おきょうとの考察の際には持ち出せなかった一つの可能性に思い至る。

「………128年前、ガタラの学会に提出されたウイリアムズ博士の学説『多元宇宙論』。まさか、それを証明する事象に立ち会うことになろうとは」
ドルセリオンを奪われ、戦況は絶望的。
ユートピアをよく知るアカックブレイブの協力を期待してここまで来たが、かくなる上は、そうもいかないだろう。

過去に飛ぶ。
並々ならぬ覚悟と決意、そしておびただしい犠牲の上に成り立つ最後の一手であったことは、本人の話によらずとも容易に想像ができる。
それが失敗したのだ。
その絶望とは、如何ほどのものか。

「無様だな…私は」
「………」
かける言葉が見つからず、槍らしく黙り込んでしまったケラウノスを、フタバは地に突き立てる。
「ああ、そうだな。…姐御はいつだって、カッコ悪いんだ」
ケラウノスすら傷心のココソーを気遣う中、フタバはあっけらかんと言い放ち、傘を投げ捨てココソーの隣に座った。

「はは…随分とはっきり言う」
乾いて掠れた自嘲が漏れる。
この間抜けを、真っ直ぐぶん殴ってくれるような素直な罵倒が、今は何よりも有り難い。
いっそそうして責めてくれた方が、多少なりとも胸がすく。

「いつだって、カッコ悪い。だって姐御は、どんなに困難な事だろうと、諦めようとしないから。でもやっぱりそれは大変な事だから、全然上手く行かない。とんでもない大怪我をするし、相手に迷惑がられたりもする。だから、みっともなくて、カッコ悪い」
並んで雨に打たれながら、フタバはアカックブレイブとの出会いを思いおこし、考えに考えを巡らせてから、なんとか言葉を組み上げていく。

「…けれど、姐御は最後まで、絶対に諦めない。泥だらけになっても傷だらけになっても、必ずやり遂げる。だから、姐御はカッコイイんだ。セ~クスィ~だろうと、えっと…ここそー…?…だろうと、貴方達の心の色は変わらない。カッコよくて、けして消えない、炎の赤色だ。だから俺は、貴女も姐御と呼ぶんだ」
「前提と結論が真逆である。論理が破綻している」
励まそうとしてるんだか何だか紆余も曲折して訳の分からない話に、ケラウノスがすかさず冷やかしを入れる。

「うるさいな!」
「やはり学舎に通うべきである」
「絶対嫌!!」
たちまち、ケラウノスとフタバはココソーを置き去りに口喧嘩を始めた。

その様子はあまりにも、幾度となく目にしたミクとケラウーノスのやりとりにそっくりで、気付けばココソーの口元に柔らかな微笑みが浮かんでいた。

「ミ…いや。…フタバ、だったか…。………ありがとう」
そうだ。
護りたかった光景は、世界は、今ここにもある。
確かにまだ、残されているのだ。
                      続く
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