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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-04-23 08:33:26.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『アカックブレイブ・デュアル』その27

「絶対に諦めない、か。強いのだな、君達の知るアカックブレイブは。私はそんなに強くはないよ…」
燃える炎の赤のような心。
「だが、それでも…」
こんな今の私の中にもそれが見えている、いや、見てくれているというのなら。

ココソーはかつて、星の降る夜に交わした約束を思い出す。

「この計画はやはり破棄しましょう」
カチャリと博士が工具を置いた。
「どうした急に。システムに欠陥でも?」
ココソーも手を停め、製作途中の時渡りマシンを見やる。
今や人手不足は極限まできている。
門外漢であったココソーもまた、必死に機械工学を学び、博士の隣でスパナを握っていた。

「マシンの理論に穴はない…はず。でも、因果律の計算がどうしても解に辿り着けない」
「む、その方面はまだ勉強が追いついていない。簡潔に頼む」
「…アストルティアの民が滅びに瀕するという未来がない限り、貴女が過去に飛ぶ事はない。つまりは貴女が過去に飛ぶ時点で、この未来が確定することになる。ユートピアを消去することが叶わないのか、それともユートピアに代わる脅威が訪れるのか…。それでももし、本当に過去を書き換えられたとしたら、その時、過去に飛んだ貴女は…」

ーーー存在しない事になる。

そもそも一方通行となる事はわかっていて今更ながら、博士はココソーを喪うことが、怖くなったのだ。

「星が綺麗だな」
そんな博士に対し、ココソーは無機質な天井を見上げてぽつりと呟いた。
「…?」
今や地上はマシン系モンスターに埋め尽くされ、このシェルターもまた地下に建造されていて、空など見えない。
訝しむ博士に、ココソーは続けた。

「民の生活や、都市の光が減って、戦いの最中に見上げる夜空は星が嘘みたいに増えて、随分と綺麗になった。皮肉な話だがな」
ちょこんと床に座り込んだ博士の横に、ココソーも腰掛ける。
「星は綺麗だったが、そこに感動は無かった。星の数なんて、どうでもいいんだ。私は、皆で見上げる星空が好きだった」
失った仲間は、命は、それこそ星の数ほど。
「取り戻すチャンスをくれて、ありがとう、博士」
どんな困難が待ち構えていようと、成功の可能性が砂粒ほどであろうと、奇跡を起こせるというのなら、挑まない選択肢などありはしない。

少しの沈黙ののち、博士はすっくと立ち上がった。
いつもは見上げるココソーの瞳が、真正面にある。

「…約束して。必ず、帰ってくるって」
どんな無茶も無謀も、不可能を打ち破る原動力は何時だって、些細な約束だ。
「ああ。必ず、帰る」

あの日の決意を、何故忘れていた?
約束したのだ。
何としてもやり遂げ、必ず帰ると。

違う世界に降り立ってしまおうが何だ
別人であろうと、この世界にも博士だって居る。
何年かかろうと、目的の地に、時間に、辿り着いてみせる。

魔装ベルトを失おうがそれが何だというのだ。
生身で上等だ。

私が、このアカックブレイブが、今、彼らを助けない理由が何処にある?
この世界で戦わない理由が、何処にある?

私の目的は、何一つ変わらない。
私の生き方を、何ら変えることはない。
まだ諦めるには、膝を折るには、何もかもあまりにも、早過ぎるじゃあないか。

ココソーの瞳に、光が戻る。
「…そう、その顔だ。俺は、そんな貴女に救われた」目の前の彼女は、ミクではない。
そして、かつてフタバを救ったというのもまた、ココソーではない。

それでも今、ココソーの心もまた、救われた。
ココソーはこぼれそうになる涙を、空を見上げて誤魔化す。
「さあ、姐御に博士からプレゼントだ」
フタバはおきょうから託されたあるものを、ココソーに差し出した。
「これは…!」
                      続く
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