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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-05-03 21:55:36.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『アカックブレイブ・デュアル』その31

超駆動戦隊ドルブレイブがユートピア、ならびにケルビンの連合軍との戦いに向けて準備を進める最中、ケルビンもまた、侵攻に向けた準備に明け暮れていた。アカックブレイブによるドルセリオンのバーストは想定外ではあったが、まして、ユートピアという不確定要素まである中で、そもそもドルセリオンが無傷で手に入るなどと自惚れてもいない。

修復を任された自動制御のマシンが忙しなく、横たわるドルセリオンの身体を這いずり回っている。
その間にケルビンはといえば、今にも朽ち果てそうな木の塊を手に、金属のベッドに横たわるオーガに近付いていく。

全盛期のグロスナー王もかくやというほどの、筋骨隆々、太く逞しいその身体。
しかし大きく割り開かれた胸部から腹部にかけて、内部からは機械部品が覗き、それがオーガに似せた造り物であることを物語る。
その心の臓腑にあたる位置にそっと手にした木片、ユートピアの存在を知った際に探知機を用いてオーグリード大陸で発掘しておいた『ゼキルの聖杭』を納めた。

地中深く埋まった亡骸から引き抜いた際、杭の刺さっていた竜とも人とも鳥ともとれぬ骨がわずかに動いた気もするが、再び厳重に埋めたので問題はなかろうと判断した。
実際、引き抜いたことによりどんな結果をもたらすかなど、ケルビンの知った事ではない。
己が必要だから手に入れる。
ただそれだけである。

『ゼキルの聖杭』は何百年、もしかすれば、千年という単位で地中に眠っていた代物であるが、探知機に反応した以上は、想定した用を為すであろう。
この最高傑作を、これまで見せつけられてきたような、捨駒と扱われては困る。
その為の仕込みを行い、最後に、ファスナーを閉じるように開胸部を塞げば、全ての工程が完了である。

ドルバリオンに代わるアストルティアの民と同等サイズの肉体が欲しいとの依頼を受け、ゴルドブレイブのノウハウを転用し、ケラウノスマーク2の為に用意した躯体をベースとして組み上げたこの機体は、間違いなく過去最高のスペックを誇る。

だからこそである。

生態系の頂点、天敵を失った生物は、すべからく停滞ののち滅びの運命を辿る。
一度入ってしまえば抜け出すことの出来ない身体、そして、ユートピアを滅ぼしうる聖剣を秘めたココソーのガントレットを復元したのもその為だ。
ユートピアもいずれ、このケルビンの恩寵にむせび泣いて感謝することだろう。

万事、掌の上ではあるが、一つしくじったとすれば、完膚なきまでにココソーの心を折ってしまったことか。
正直なところ事実を告げるつもりはなかったのだが、真っ直ぐな瞳を見ていると、どうしても曇らせたくてしょうがなくなる。

もっとも、ガントレットを手に即座にこのラボへ乗り込まれでもするのも面倒ではあった。
結果的に、立ち直ったココソーがドルブレイブと合流するに至るのは、マシン系モンスター軍団の効果判定も程々に進み、しびれを切らしたユートピアがスーパードルセリオンを駆り、アオックブレイブを庇い負傷したダイダイックブレイブにとどめを刺そうというまさにその瞬間と、非常に劇的かつ都合のよいタイミングとなった訳であったのだが、ここまで計算に計算を重ね、運をも味方にしてきた天才にも、理解の及ばぬモノはある。

「…なんだこれは!?」
スーパードルセリオンを蹌踉めかせるほどの大岩を投射した黒塗りの珍妙な巨人の姿に、驚きの声を抑えきれないケルビンであった。
                      続く
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