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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-06-04 10:58:20.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『アカックブレイブ・デュアル』その36

ココソー転じたアカックブレイブは、足場とも呼べぬドルセリオンの上半身を駆け上がり、天を仰ぐように硬直した額の上へと辿り着く。
仮面ボンバーの活躍あって、ユートピアの支配から一時的に解放されたドルセリオンであるが、未だ手脚にまとわりつくドルバリオンパーツには制御補助のためにユートピアのコピー体が残存しており、再び操ろうと侵食を始める様がドルセリオンの瞳に走る紫の電流として見て取れる。

「今こそ、我らの象徴を取り戻す!!」
上手くいくかどうか、躊躇っている猶予は無い。
もとの世界では、終ぞ救い出すことのできなかった相棒。
万感の想いを込めて、ドルセリオンの額中央にフォトンサーベルを突き刺した。

そこを起点とし、さざ波のように幾度も金色の粒子がドルセリオンの全身へと拡がる。
「帰ってこい!ドルセリオン!!!」
アカックブレイブの呼びかけに呼応するかの如く、その瞳の光が赤く禍々しいものから光り輝く金色を取り戻した。

再び正義の名のもとに再起動したドルセリオン。
『…馬鹿ナ…アレハベルトト共に破壊シタハズ…』
その鋼の咆哮を、ユートピアは半壊したマシンドルボードの中で感じ取り、驚愕した。
ドルセリオンを奪い返された事よりも問題なのは、アカックブレイブの手に握られた鮮赤のフォトンブレードである。
ブレードからドルセリオンの全身へ行き渡った金色の粒子。
外装だけでなく内部にも浸透したその輝きは、闇夜を照らす朝日の如く、ユートピアのコピー体を打ち消した。
追い出したのではない。
消失させたのだ。

その作用はベルトの中で見た、ワクチンプログラムによる浄化作用に他ならない。
いわば免疫を得た今、もはやドルセリオンの再支配は不可能、そればかりでなく、あの刃は形を持たぬ自身にも届くことが実証された。

『あ~、あ~、聞こえているか?要望のボディなら完成している。もはやそのマシンドルボードは身動きが取れまい。移動することを提言する』
身動きの取れない機体に留まるなど論外である。
破損したスピーカーからノイズ混じりに響くケルビンの声に促されるまでもなく、初めて知る死の恐怖に正確な演算を欠いたユートピアは、そこに罠が仕掛けられているなど疑いもせず自らの転送に取り掛かるのであった。

「………再び力を借りるぞ、ドルセリオン」
この肩に乗るのは、何年振りだろうか。
それは機体内を循環するドルセリンの熱がもたらす幻覚であろうと、思念伝達のグリップを握れば、ドルセリオンに宿る熱き正義の魂を感じる。

「露払いだ!使えるものは使わせてもらうぞ!」
両手脚のドルバリオンパーツは未だにリンクしている。
ホバー機動を活かして左腕のミサイルランチャーの残弾が許す限り、キラーマシン2などの巨大な個体を優先し撃墜していく。
やがて弾が尽き、撃鉄がカチカチと空振るようになれば、もはや腕部パーツはデッドウェイトでしか無く、右腕にまとわるいかにも悪役然とした回転ノコギリもまた、ココソーの趣味ではない。
躊躇いなく諸共にパージした。

「未だ敵は多い。だが、大したことはないな。この戦場にはドルブレイブの皆と、お前が居る」
ビッグFを乗り捨てた仮面ボンバーを加えたドルブレイブの奮闘に加え、けして少なくはないミサイルを撃ち尽くしてなお、マシン系モンスターはひしめき合い、黒い津波のようにこちらを押し潰さんと迫る。
それを見てもアカックブレイブは焦る様子もなく、切り離し前に前に吸い上げた二機のドルレーサー内の残存ドルセリンをドルセリオンの両肩へ伝達した。

「ドルセリオン!!システムO(オーバード)・O(オプティカル)・O(オーケストラ)!!!」
ドルセリオンの肩を構成する、アカックブレイブの象徴とも呼ぶべき二振りのハンマー。
そこから誘導レーザーを放つ広範囲撃滅兵装、アカックブレイブ必殺の一撃をドルセリオンに合体した状況下で解き放つ。

ドルバリオンパーツからの余剰エネルギーに加え、ドルセリオンを構成する5機のドルボード全てのエネルギーを受けて、ドルセリオンの肩部から通常のシステムO・Oとは比べ物にならない高出力のレーザーが放出され、マシン系モンスター軍団に降り注ぐ。
着弾した無数のレーザーはそれぞれが不規則な軌道を描き、野を這う蛇のように一体、また一体と、その威が減衰するまで次々と獲物を屠っていき、頑張れば数えられるのではないかという程に数を減らした。

金属の衝突する轟音とともに、殴られたドルセリオンが宙高く舞ったのは、遠くで見守るフィズルとおきょう、フタバに加え、油断を知らぬ歴戦のドルブレイブのメンバーたち誰もが、戦いの終わりが近いと感じた、まさにその時であった。
                      続く
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