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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-07-23 20:27:09.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『白烏の遷宮』その2

山門のあたりには老舗の和菓子屋やお茶、弁当など、昔ながらのエルトナ食を提供する屋台が集中していた。
「何処となく…既視感がある…ような?」
そんな夏の涼菓を提供する店の前で、一人の冒険者が笹の葉で包まれた冷やしヨモギ大福をまじまじと見つめていた。
流石にこの季節、彼のトレードマークの青のコートに黄色のネクタイは脱ぎ捨て、パーソナルカラーの青が差し色に取り入れられた黒の砂海のころもに衣替えしている。

ふよふよと相棒であるホイミスライムのホイいちろうがじっと動かない主人を心配し目線の高さに浮かんできたところで、クユはようやく自分が冷やしヨモギ大福に心惹かれた理由に気が付いた。

つぶあんの周りを、刻みヨモギを混ぜた鮮緑に染まる餅米でくるみ、更にその外側を見た目にも涼しげな透明の寒天で覆った、職人技の光る逸品。
それは、青と緑の違いはあれど、形といい質感といい、ホイミスライムの頭部と非常に良く似ているのだ。
早速、相棒の分も含めて、ベストマッチが約束されたカップ入りの緑茶ともども2セット買い求める。
本堂横の木陰に用意された切り株の椅子に腰掛け、いざ頂く。
笹の葉の皿の上でぷるぷると震える程の弾力充分な寒天層を抜ければ、ヨモギの息吹をまとった餅米の自然な甘みが口いっぱいに溢れ出し、最後に粒餡の甘さの中から僅かに顔を出す塩味がさっぱりと幕を下ろす。
「うんまっ!!」
ホイいちろうもまた、普段はスティックを握る触腕に黒文字を携え、上品に冷やしヨモギ大福をカットして一口ずつ頂いた。
美味しいとほっぺたが落ちるのはウェディもホイミスライムも変わらない。
仲良く頬をおさえ、満面の笑みを浮かべる二人であった。

その頃、ロマンはといえば、境内をぐるり、東の方へと歩みを進めていた。
「おやおや、歌姫さんに、姉御も遊びに来てるのかい。そういやあの二人、仲良しだったっけか」
ロマンの遠目に、バンダナからあふれる金髪を揺らす懐かしい姿と、ロマンのほうが歳上であるのだが『姉御』と呼び親しむ麗人が連れ立つ姿が映った。

キュララナビーチを皮切りに、親友マユラと過ごすテルルの久方ぶりの夏休みは未だ継続中なのである。
「…結構な人数に気付かれてる気がするわ」
「え~、ホントに?」
良識あるファンたちばかりで、オフと察して声をかけてくることはないが、ほんの一瞬向けられる視線に武闘家であるマユラは敏感だった。
しかしながら、その視線の半数はExtEのテルルではなく、マユラ自身に向けられたものであるとは気付いていない。

マユラもまた、ファッションショーの出場経験があり、本人は全く知らずながら、なかなかに分厚いファン層を抱える身であるのだ。
身体のラインのはっきりする占い師の服にルージュのような真紅のズボンで美麗にまとめたマユラに対し、脚は色目を揃えて赤のロングソックスでありながらも他は白でまとめたテルル、どちらがどうというわけでなく、並ぶことで相乗効果で互いに実に映えている。
「しっかし、暑いわね~…」
ちらりと僅かに舌を出し、掌でぱたぱたと顔を仰ぐ。「そうね。なにか飲み物でも…あら?」
サングラスを少しさげ、あたりを見回したマユラはまるでお伽噺から飛び出してきたような、ウォールナットカラーの可愛らしい屋台を目にとめた。

「へぇ、水割りか炭酸割りか選べるのね」
列の邪魔にならない位置から、品書きに目を走らせる。
自家農園産のみかんやうめ、イチゴから作ったシロップを使ったドリンクを提供しているようだ。
「私、みかんが良い!」
「じゃあ、イチゴにしようかしら。今だけの限定らしいし」
早速水割りを買い求め、近くの木陰のベンチに腰掛ける。

夏の陽気の中であっても、ここだけは別空間。
心地良いそよ風の中、ストリートミュージシャンの歌声がゆったりと流れている。
「せっかくだから、リクエストしてくるわ」
テルルはミュージシャンの足元に立てられた歌える曲目リストの中に、ある懐かしいタイトルを見つけた。
「…あら、この歌。てっきり嫌いになったのかと」
流れ始めたメロディーは、かつてソロでもExtEのライブでも、テルルの十八番であったのだが、ある時…あれはそう、テルル宅の白鳥のベンチが盗まれる事件のあったあたりから、歌わなくなったナンバーだった。「あはは、まっさか。ただ、この歌は、いつかあの子とデュエットするまで、自分で歌わないって決めてるの」
いつも通りに聞こえる明るい口調、しかしそこに期待とともに僅かに含まれる寂しさとも悲しさともとれる青い感情に、マユラは気付く。
「…そう。それは残念だけど、その日を楽しみにしてるわね」
甘酸っぱい生命の讃歌を聴きながら、穏やかなひとときを味わう二人であった。
                      続く
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