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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-08-05 16:08:04.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『白姫異譚』その16

時はほんの少しだけ遡り、カミハルムイに降り立ったらぐっちょが目的地であるいなりの屋敷を探し惑う道すがらで通りすがった食堂の中に、二人の女傑の姿があった。
「これこれ!待ってましたわ!!」
ルージュのような艶めく赤に染めた炎帝のいくさ装束からはち切れそうな胸元を垣間見せるオーガの武闘家マユラは、パンと平手を打ち合わせて待ちわびた定食の到着を喜んだ。
パンツスタイルにそぐわない令嬢口調であるが、その肩にのる美貌にはそんな違和感を根刮ぎ黙らせるだけの魅力がある。

「…友人と予定があったんじゃないのか?」
白米と豚汁、アジの干物にイカの刺し身とネギトロ、小鉢の卯の花にきんぴら。
自分のもとへも運ばれて来た同じ定食の内容をぐるりと確認しながら、マユラの対面に腰掛ける白髪の女、イルマはマユラの友人を心配した。
もはや時刻は既に、食堂の昼営業時間が終わろうかという所謂おやつどきである。

「いいのよ、待ち合わせは今日ってだけで、時間は決めてませんの」
「何だそりゃ………あ、てことはさっきの、やっぱり煽ってやがったんだな。まったく、いい性格してやがる」
あっけらかんと返る言葉に、イルマは先の試合前におけるマユラとのやり取りを思い出し、眉間にシワを寄せた。
その時に比べ幾分かマユラの口調が砕けている気がするのは、拳を交えて打ち解けた故のことだろうか。
「それ、弟のアトラにもよく言われましたわ。ささ、せっかくの料理が冷めてしまいますよ」
「一応言っとくが、私は勿論、弟もきっと、褒めてるわけじゃないからな」
イルマの射抜くような視線を飄々とかわし、マユラは既に箸を取って主菜のアジの干物をほぐしにかかっている。

取り出され箸に持ち上げられる一房は干されてなお肉厚で、まとった旨みたっぷりの脂でキラキラと輝く。「ん~、美味美味!エルトナでの試合のあとは、必ずこのお店に寄ることにしているの。ランチの時間、ぎりぎり間に合って良かったわ」
干物ならではの塩の甘みも噛みしめながら、店主自ら一番干物に合うものをと探し求めた銘柄を仲間モンスターねこまどうのメラガイアーの絶大な瞬発高火力で炊き上げた白米を口へ運ぶ。

「…確かに、美味い」
店を開くほどなのだから義母ミアキスの作る料理は当然文句無しに旨いのだが、如何せん、毎日三食中華料理では飽きがくる。
久々に味わう豚汁はしっかりとダシが効いて、優しい合わせ味噌が具材の小口に切ったごぼうとイチョウ切りの大根、アクセントの豚こま肉らを抱き締めて、見事な調和を果たしていた。
ちなみに白米に加えてこの豚汁もおかわりが自由というのだから、まったくどうかしている。

そして何が一番、どうかしているかといえば、のほほんとアジの干物定食をかこむ、今日が初対面のこの二人は、つい一刻ほど前まで殴り合っていたばかりであるということである。

「東、語るまでもない絶対女王!黒百合の暗黒闘士、マユラ!!」
「…花なら薔薇とか…そもそも前回の紅蓮の羅刹王の二つ名は何処へいってしまったのかしら?」
マユラは腕を組み、珍妙な渾名に表情を曇らせる。
その言葉はもっともで、確かに腰下は黒に染めているが上半身は赤い衣が強く目を引く。
そして何を隠そう、彼女こそこの武道大会、過去3回連続のディフェンディングチャンピオンである。
「西、初参戦でまさかまさか、常連5人ワンパンチで仕留めての決勝進出!番狂わせの白薔薇の冷戦士、イルマ!」
「何だ白薔薇って…センスの欠片もないな」
イルマもまた、あんまりな二つ名にバンダナでまとめ上げたざんばらな短髪をガリガリと掻き毟り嘆息した。
その顔に、もはや必要の無くなったかためを夜闇に馴らすための眼帯は無く、澄んだ氷の様な二つの瞳が真っ直ぐに対戦相手を睨みあげている。

「例年通り、すぐに片が付く殿方ばかりと思ったら、嬉しい誤算なのだわ。でも困りましたわ、このあと、友人と予定がありましてよ。間に合うかしら」
一流の戦士同士は、握手をかわせば相手の力量が推して量れるという。
「早く終わらせてやろうか?」
「あらやだ。冗談がお上手ですこと。ウフフフ!」
「冗談なもんかよ。ハハハハハハッ!」
上品な笑みを浮かべるマユラに対して、イルマはあくまでも不遜に笑い飛ばす。
その所作は対称的ながらも互いに満面の笑みで試合前の握手を交わす二人だが、その狭間でびしりと空気が割れる音を観客たちは確かに耳にしたのだった。
                      続く
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