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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 130

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レオナルドの冒険日誌

2024-02-17 20:02:46.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『一簣之功』

正座から立ち上がりざま、左腰の鞘からすらりと刀を引き抜き、上段に構える。
珍しく一刀だけを携えるその手に握られるは、目にも鮮やかな翡翠の柄。
いなりが必ず利き手に握る愛刀、薄刃緑だ。

瞬き1つせぬまま、ふっと息を吐き正中に振り下ろすと、刃先を僅か左に逸らしながら裏返して袈裟に斬り上げ、そのままの流れでくるりと回りざまの横薙ぎ。後を追うように僅かに汗が舞い、射し込む陽光を受け一番星のようにキラリと輝く。
やがてフィルムを逆に回すように薄刃緑を鞘に納め、すっと再び正座に戻る。

その、繰り返し。

道場に一人きり、ひたすらに基本の型を、脳でなく筋肉、やがて細胞の一つ一つにまで教え込むように、朝から既にいなりは何百回と繰り返した事だろうか。
誰に見せるものでもない鍛錬の様を、こっそりと板戸の隙間から垣間見る、栗のような瞳があった。

「いらしてたんですか、かげろう様」
いなりの妹、オスシに投げかけられた声に、しーーーっと指を一本、口に立てて答えた。
きっと姉に会いに来たのであろうに、再び屈んでこっそりいなりの様子を隠し見るかげろうに、オスシは首を傾げる。
「…覗いているのに気付かれたら、きっと止めてしまうだろうからな」
「はぁ…そういう、ものですか」
自分が鍛錬中の姉に声をかける時は、お茶を淹れたか、食事の時間か、中断せざるをえないタイミングばかりで、やはりぴんとは来ない。

「………美しい」
ぽつりともらすかげろうの横顔は、逆にかげろうの剣技を眺める姉の横顔に似て、何故だかオスシが気恥ずかしくなってしまう。
「よし。私も帰って、鍛え直すとするか」
存分にいなりを見つめたあと、かげろうはすっくと居住まいを正す。

「かげろう様も鍛錬を?」
その返しには、僅かに驚きの色が混じる。
「無論。才があろうとなかろうと、いずれ磨けば光る、磨かねば腐る。それぞれに辿る道の長さは異なろうと、な」
言われてみれば当たり前の話だが、既に完成された姿から知ってしまうと、イメージなど湧かないものである。

「生まれた子に箸より先に刀を握らせるような家だ。環境には、そうだな、恵まれたと言えるのか。お陰様で、幼少の私は庭から厠まで余す所なく、床の味を知ることになった」
その言葉にオスシもまた、リリィアンヌのもとで幾度も挑んだドレス作りを思い起こす。
控えめに言って地獄であったが、それは確かに今の自分の礎となっている。
「あ、覗き見ていたのは内緒にしておいてくれよ?私は好きなのだ、ひたむきな許婚の姿がな」
恥ずかしがって二度と見せてくれなくなってしまっては、その、困る。

「さて、では御暇する。のんびり胡座をかいて後進に追いつかれてしまっては、目も当てられんのでな」
背中越し、ひらひらとオスシに手を振りいなりの館を去る。
ダンノーラから今日まで、そしてこれから先。
いなりにとって、常に先を行く存在であり続けねば、一度憧れさせておいて今更格好がつかないではないか。

資格や血筋はあれど、勇者は生まれながらにして勇者ではない。
ひのきのぼうや、かしのつえ、そこから一段一段、登って登って辿り着くのだ。
大魔道士も、大剣豪も、大神官も同じこと。
それが例え牛歩であろうと、頂上を目指してひたむきに歩む姿は、いつだって誰だって、ただひたすらに美しい。
           ~完~
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