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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 海賊
レベル
: 125

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レオナルドの冒険日誌

2024-03-24 09:34:01.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『calm before the storm』その5

「うわぁ…っ!?何だ何だ、何事だい!?」
ユクは目線の高さにまで跳ね上がってきた女将さんの小さな身体を慌ててキャッチする。
最初は地震かと思ったが、繰り返し続く激しい振動と遠くから響いてくる爆音はそれでは説明がつかない。
インパスの導きは、時間までは分からない。
しかし、マーニャに見たインパスの赤とこの衝撃は、何らかの因果関係があるに違いないとユクの直感が告げている。
そして極めつけに襲った大きな揺れに、女将さんとまとめて転がったユクの胸元から、2枚のタロットが転がり出た。

それはついぞめくる事ができず、さりとて確認せずに山札へ戻すことも躊躇われ、そのままアルカナを見ずに仕舞い込んだマーニャの未来を占った2枚だ。
偶然にも表を向いたカードの示すアルカナは、『太陽』と『世界』。
その意味するところを極めてざっくり言えば、明るい未来と、目的の達成。
インパスの結果とは全く裏腹の結果に、思わずユクの口元が緩んだ。

「…女将さん。今日お仕事休む分の穴埋め、これで足りますか?」
きょとんとする女将さんをしかと地に立たせ、その手にマーニャから受け取った占いのお代を握らせる。
やっぱりユクの占いは、こうでなくては。

返事を待たずに、愛刀を引っ掴んで外に出る。
先程の一際大きな衝撃を最後に、あたりは落ち着いている。
もしかしたら、もう、手遅れかもしれない。
そもそも、ただの取り越し苦労で、ミネアとマーニャは全く別のところへ向かっているかもしれない。

だが、それがどうした。
ユクのタロット占いは、絶対に外れない、いや…外さない。
あらゆる雑念をパンと頬打ち振り払うと、どうにかするべくもうもうと煙たなびく荒野の果てへと走り出すのであった。

その、ほんの少し前。
ユクの直感は正しく、ギガパレス浮上の瞬間、目前に居たマーニャとミネアはとても立ってはいられない衝撃と振動に膝をついていた。
口を開けば舌を噛むのは目に見えている。
そこは勝手知ったる長く連れ立った姉妹、アイコンタクトだけで何とか手を伸ばし繋ぎ、互いの重さも頼りに耐え忍ぶ。

完全にその姿をあらわにしたギガパレス、そのままさらに宙へと浮かび上がる巨大な城に向かい、なおも殺戮機械からのレーザーが照射される。
都度衝撃に揺さぶられながらも、顔のようにも見える2本の角をいただくギガパレスの中心、一際大きな尖塔が沈み込み、代わりに長大な砲身が伸びい出て、そのまま倒れ込むように砲口が侵略者へと向く。

「…不味いわ姉さん!」
「分かってる!」
こちらに見向きもしなかったキラークリムゾン軍団とマーニャ達の距離はそう離れていない。
キラークリムゾンがギガパレスに執心してくれていたのは幸運だが、輝きを増していく砲口から放たれる何かは、こちらもまとめて吹き飛ばすことだろう。

先程に比べれば幾分か揺れも穏やかな今ならば…
マーニャは踊り子由来のバランス感覚でミネアの前に何とか立ち上がり、ばさりと両の手に鉄扇を抜き拡げる。
その肩から一連、まるで身体の一部のように滑らかに銀に輝く鉄扇を操ると、砂を巻き上げんばかりの激しくそして優雅な短い舞からとっておきの呪文を釈き放つ。
「…火竜変化呪文(ドラゴラム)!!!」
からくもマーニャが起死回生の一手を滑り込ませた次の瞬間。
『…マダンテカノン、チャージ率120%…発射』
あまりにも呆気ない淡々と無機質な機械音声とともに、チョッピ荒野を極大の閃光と衝撃が包むのであった。
                      続く
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