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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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写真コンテスト

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レオナルドの冒険日誌

2024-06-15 11:00:05.0 2024-06-15 11:21:14.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『じローライフ』その12

雨の多いこの時期を前に、収穫期を迎える果実がある。
その所以に諸説はあれど、『梅雨』と書いて字の通り、梅である。
今年の梅は過去例を見ない豊作で、捌き切れないと悲鳴をあげたエルトナ大陸の農家のサポートに乗り出したのが天下のエスコーダ商会であった。

更にはそれでも余った分が、今こうして、リーネを介してじにーのもとへ運ばれていた。
きっとかつての住民、刑部とアカツキもこうして梅を楽しんだのであろう、御誂え向きに、必要な道具は全て揃っている。
刑部邸の裏手に長椅子といくつもの大きな竹編の丸盆を並べ、さっそく仕分けが始まった。

「漬け込むの手間だけど、量が量だから買うと馬鹿にならんのよね」
「家計が助かります」
所帯染みた会話を繰り広げるはいなりとオスシ。
昨年からはかげろうが晩酌のお供に持ち出すものだから、いなり家の梅干し消費量は加速度的に増大していたのだ。

「えと、青いのが…」
梅の実が満タンに詰まった箱を皆で囲むなか、あげはもひょいと青々とした一粒を摘み上げた。
「そうそう、まだ青い実が、梅酒やシロップ用。黄色く熟してる実が、ジャムや梅干し用だね~」
青い梅ではアク抜きが必要になる他、最初の漬け込みである塩漬けに際して梅酢が上がりにくく、梅干しには向かないのだ。

しようもない雑用で呼ばれたのであれば縁を切るも辞さぬと思ったあげはであったが、なるほど古民家らしい体験に作業の手は進む。
だいぶ熟れた実も含まれており、そこから漂う甘酸っぱい梅の香も心地良い。
途中、囲炉裏を囲んでいなりとオスシの用意してくれた塩むすびと具だくさんの豚汁で休憩と昼飯を挟みつつ、やがてすっかり木箱も空になると、一同は額の汗を拭う。

「次は壺に入れるの?」
綺麗に梅が並んだ光景を、記念にカメラでパシャリ。「ノンノン、その前にまだ大事な作業があるのよ」
続いて二手に分かれ、腐敗防止の対策に取り掛かる。じにーとリーネとあげはの3人で、ヘタと実の境目に竹串を刺してくいっと持ち上げヘタを取り除き、しかる後に、いなり家三姉妹が焼酎を染み込ませた布で梅の実を磨く。

最期に、塩、酒、氷砂糖、それぞれを梅と合わせて壺の中へ。
「「「………終わった~~~っ!!!」」」
今日この場で味わえないのが実に残念であるが、やがて梅干しと梅酒と梅シロップに転じる3つの壺が並ぶ様を、一同は感慨深く見つめる。

「さて、このまま帰したら家主の立場がすたるというもので」
もとより、皆の予定は明日も丸っとおさえている。
「晩御飯は存分に期待しといてね~!」
ゲストは大人しく待っててと言われてもそれはもう今更が過ぎるのだが、言葉に甘えて、買い出し含め準備をじにーとリーネに任せることにし、あげはは意気揚々とカメラを構えた。

平素、仕事で巡る住まいは豪奢なものが多いが、それはたまたま、こういった昔ながらの家屋も味わい深く、興味惹かれるものである。
今日はあくまでもオフ、じにーの住まいを記事にする予定は無いが、ついつい映える構図を探求してしまう。
あっという間に、ひとつのフィルムが尽きるほどに写真はあふれるのであった。
                      続く
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