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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2024-08-02 19:37:07.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『じローライフ』その21

ずっきんこが完全に視界から去るのを待って、オスシは布巾でトゲから手を保護しつつウニの一つを持ち上げた。
「ええと…口がここだから…」
オスシはウニの中央に白いつぼみのようなものを見つけると、くるりとその面を下に向ける。
そして中央に包丁の刃先を押し込み、くっと鍵を回すように捻れば、綺麗にバカッとウニが真っ二つに割り開かれた。

「あとは匙で黄色い可食部を掬って、くっついてる黒い部分をそこの塩水をはったタライの中で洗い落とせば完了。実際にやってみるのは初めてだったんだけど、うん、上手くいったかな。バフンウニで助かった~。ムラサキウニだったら、もう少し面倒だったから」ムラサキウニのほうがトゲが長く、おしりが探し辛いので綺麗に身をとろうと思うと口から少しずつ割り開いていく必要がある。
そして余談であるが、名前こそ不名誉なれど、バフンウニの方がムラサキウニよりも高級で、甘みも風味も豊かなのだ。

「ふんふん、なるほどね~」
オスシが気付いた頃には、既にぱかぱかと3つのウニがいなりによって見事に割られていた。
「…姉さん、イセエビでも思ったけど、絶対前に捌いたことあるでしょ?」
手本を見せてと言っておきながら、明らかに自分よりも二枚も三枚も上手な姉を、ジト目で見やる。
そうはぼやきつつも、いなりの手際は、見稽古による賜物であるとオスシも分かっている。
とかく、いなりの生きる武芸の世界は、考えるより感じろ、直感的な人種ばかりで、結果、『見て覚える』ということを強いられるのだ。

「さ、働かざるもの食うべからず!ヤマ、あんたもいい加減手伝いなさい」
「はぁい」
「あ、ちょっとヤマ、千切れちゃってるじゃない。もっとそっと…そうそう」
順調に進むいなり家三姉妹に対して、じにー達はといえば、こちらも、はや最後の仕事に取り掛かろうとしていた。

「リーネ、火起こし頼める?炭はセットしてあるから」
「はいよ~」
じにーの指示でぱたぱたと外へ駆けていくリーネとすれ違う。
宴の始まりはいよいよ近い。
「なにを すればよい?」
「ずっきんこちゃん、ハンバーグって、知ってる?」昨晩、じにー達が梅酒とともに舌鼓をうった牛鍋。
それと同じ、ブランド牛のネックとスネ肉を贅沢に挽いた鮮やかな山が、じにーの抱えるボウルから顔を覗かせていた。

「はんばーぐ?」
「この挽き肉で、まぁるく形をつくってね…」
流しでずっきんこと二人、よ~く手を洗ったあと、あげはが手本を示すべく、大き目の木べらで挽き肉をよそい、丸く整えていく。

「そういうはなしなら まかせたまえ」
言わずもがな、こねて成型するのはきんこ星人の得意分野である。
あげはによる見本が完成するのを待たず、ずっきんこも前のめりで参戦する。

「どうだ?」
まさに一瞬のうちに、ずっきんこの掌のうえには、パパ~ンと6分の1サイズのずっきんこが出来上がっていた。
程よいカールヘアに顔圧のたくましい表情、そして悩ましいぽってりボディからペンギンの羽根のようにしなやかやに伸びた腕、その先でピンと横に立った指先まで、色とサイズを除けばもはや本物と区別がつかない。
骨が入っている訳でもなし、一体全体、挽き肉だけでどう強度を保っているのか、全くの謎である。

「おおう…なんというリアリティ…」
「…あ~…いや、ずっきんこちゃん?凄いんだけど、ね?」
謎はともかくとして、流石にこれを網にのせて焼くのは、イセエビを捌く光景よりもショッキングが過ぎる。

「こう。こんな感じで、ね?」
ずっきんこに遅れを取り、ようやく完成した見本。
差し出した掌に乗るほどの、ハンバーグのタネをずっきんこは様々な角度から睨めつける。
「ドーム いや アダムスキー にちかい。なるほど りかいした!」
またしても不思議な単語に、うん?とクエッションマークが浮かぶのは止められないが、流石にじにーたちも、ずっきんこの発言を受け流す事に慣れてきた。

「こうか」
「そうそう!ていうか、早っ!?」
複雑な造形すら一瞬であったのだ。
瞬く間にボウルは空になり、これにて全ての食材の準備は整ったのであった。
                      続く
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