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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2024-08-06 22:43:22.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『じローライフ』その22

「いやぁ、何だかんだ、やっぱりこれが一番気になってんのよね~」
いよいよ始まったバーベキュー、思いもかけずイセのあかいムシ、もとい、イセエビやウニなどの高級食材が加わったとはいえ、じにー達が焼き上がりまず最初に手に取ったのは姫竹であった。
「あつつ…あつ…あっちッ!?」
少し焦げ目のついた皮を苦労しながらもひん剥けば、ヤングコーンのような黄金色の尖塔が顔を覗かせる。
「なるほど、絶妙な食感ね」
「水煮と違って、甘みがすごく引き立ってる~」
「あっつゥ!?なんか私のだけ、熱すぎひん!?」
いつまでも皮剥きに苦戦するじにーに先んじて、オスシとヤマはコリコリと歯応えが小気味良く、栗とクルミを混ぜ合わせたような独特な甘味に舌鼓をうった。
「ずっきんこちゃん!?そこ軸だから!黄色いつぶつぶの部分だけで良いのよ!?ぺしなさい、ぺ!」
一方、あげははすっかり保護者ポジションで、ずっきんこに正しい食文化を教えている。
「どうりで かたいわけだ。しかしきにいったぞ!やきももこし!」
砂糖醤油の照りが美しい焼きトウモロコシに、二つ割りのピーマンや輪切りの玉ねぎ、人参などが彩りを添える中、やはり目立つのは中央の鬼殻焼きである。

「ずっきんこちゃん、イセエビ、そろそろ大丈夫よ」「!!」
待ってましたとばかりに、ずっきんこの瞳が輝きを増す。
ここまで素材が良ければ、半端な味付けなど無粋である。
調味料は一切使わず、あえて雑にイセエビのミソと捌きたてのウニを混ぜ合わせただけ、そんな贅沢なソースが塗られたぷりっぷりの身。
まさしく馬鹿が考える最強の一品である。
リーネは出来る限り形が崩れぬよう殻からほぐし、ずっきんこの皿によそってやる。

火が通ったことで弾けんばかりの弾力を身につけ、まとう琥珀色のソースはまだふつふつと息をして、表面のあぶくが弾けるたびに濃厚な海の香りを解き放つ。「パリパリもすてがたいが これはまたとんでもない!!さすがはイセのあかいムシ!」
半身を一口で頬張り、まさしく頬が落ちそうな旨さにずっきんこはぶんぶんと両腕を振って歓びをあらわした。

「どれどれ…ああ、こりゃあけしからんやつですよ」「かげろうさまじゃないけど…コレは酒が欲しくなる」
「わかるわぁ。キリッとしたやつね」
5匹を割ったので都合10切れ、じにー達は一切れずつ、残りはずっきんこが美味しくぺろりと頂いた。

なおたっぷり残っているウニをそのまま刺身で頂いたり、焼いたヒレ肉で包んだり、醤油に浸した太ましいイカ焼きも瞬く間に平らげるなど、思い思いに堪能した後は、いよいよずっきんこも協力したアレの出番である。
「ずっきんこちゃんがほとんど一人で準備してくれたのよ」
「ふっふ。もちもちこねるのは われわれの せんばいとっきょなのだ」
自ら発した『われわれ』という言葉に、一瞬何か大事なことを思い出しかけたずっきんこであるが、すごいすごいと褒め奉られて鼻も高々、更には漂う肉の焼ける芳ばしい薫りに流れ去ってしまった。

「炭火でハンバーグとか最高か。いやこれまでも既に最高だけど」
「ふっふっふ。そしてこんなものも用意してあるのだよ」
勝ち誇った表情でリーネが取り出したのは、ゴマのふられたバンズ。
ブランド牛のハンバーグでハンバーガーを作ろうという魂胆である。

箸休めも兼ねて用意してあったレタスやトマト、琥珀色にこんがり焼き上がった玉ねぎなど、各自好みの品をパティと合わせて、あんぐりと口を開いてかぶりつく。
「うっわ肉汁やば」
噛めばじゅわっと旨味が弾け、シャキシャキのレタスの食感も小気味良く肉の甘味を引き立てている。

「おいし~~~!ソースとか無しでも全然イケるね」「はんばーがー!これもとてもおいしい!」
調味料はハンバーグにふった僅かな塩胡椒のみであるが、これもまた鬼殻焼き然り、素材の味だけで充分満足できる味わいである。
さらには、あげはの発案で一工夫がされている。

「あと何だろ?軟骨?」
時折、肉の中からコリコリとしっかりした歯応えが顔を覗かせた。
「ノンノン、それはねぇ…」
「分かった!姫竹か!!」
「そそ!」
牛100%も最高の贅沢ではあるが、せっかくの山の幸を活かさない手はない。
予め火を通し、細かく刻んだ姫竹を食感のアクセントに混ぜ加えたのだ。
そんな食感の楽しさもあって、散々お腹が膨れたあとにハンバーガーとはシメには重たい一品であったのだが、この楽しい時間が過ぎ去るのと同様、あっという間に皆の胃袋へと消えたのであった。
                      続く
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