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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

ライブカメラ画像

2D動画 静止画

写真コンテスト

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レオナルドの冒険日誌

2024-08-28 12:15:21.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『Assorted sweets』

『…姉ちゃん、俺、明日も現場なんだけど。もうそろそろいいかな?』
電話の向こう、最後の頼みの綱と縋った相手から、無情な声が届く。
「待って待って!一緒に考えてよ~~~!!」
もう随分と、夜も遅い。
虫はとうに寝静まり、星すらも黙り込んでいる。

「う~ん、だってさぁ。うちの師匠は参考にならんて」
それは、そう。
彼の師匠の誕生日には、技術を継いだ名だたる名匠達がそれぞれに祝いの品を持って駆け付け列をなすわけだが、やれ魔界で発見された新種の木材だの、鍵師達が解錠できず音を上げた古の仕掛け箱だの、姉が付き人を務める歌姫テルルが喜びそうなものとは到底かけ離れているのだ。

『アンタも真剣に考えなさいよ、この薄情ものめ~っ!』
まるで深酒したかのように絡みつく姉の言葉にバツを悪くし、もみあげのあたりを指で掻く。
工匠ロマンの弟子になる。
その夢を叶えるまで、生活を支えてくれた姉の力になりたいのはやまやまなのだが、こればっかりは難易度が高すぎる。

姉は姉で色々と考えてはいるのだが、なにせ相手が悪い。
例えば、まるで夜空に輝く星をそのままに閉じ込めたような煌びやかな盾であったり、神秘的な深い海を切り取って布地に仕立てたような美しく艶やかなバニースーツであったり。
デビューから何十年と積み重ねたキャリアはその分だけファンや友人の数を増やし、軽く一例をあげただけでも、テルルの屋敷に飾られた贈り物の数々はそれぞれ国宝に匹敵すると言っても過言ではない。
そんな中、引っ込み思案である姉が、一体何を用意できるというのか。

加えて予算の問題もある。
テルルから頂く毎月の給金は少なくはない、いやむしろ、かなり多い。
しかしそれは、あちこちの劇場に足繁く通い、芸の道に深く知見を得るための勉強代も兼ねている。
テルルの意図を正しく、いや、必要以上に受け止め励んでいる姉の懐事情は、はっきり言って芳しくない。
「………でもさ。結局やっぱり、気持ちじゃない?心が込もってればさ、きっと喜んでくれるよ」
『そうかなぁ………』
「絶対そう!じゃ、俺寝るからね!!頑張って!!」なおもぐずる姉を叱咤し、電話を切った。
その脳裏には、弟子入りが叶ったことをお祝いする席に、ライブの疲れもあるだろうにわざわざ姉とともに駆け付けてくれたテルルの優しい笑みが浮かんでいた。

「俺からも何か送らなくちゃ」
して、姉にどうこう言っておきながら、自身もまだアテはないのだが。
お祝いにはとにかく花束だとか、確かそんなことを師匠は言っていたっけか。
花の種類はどうするかと悩むうち、いつしか安らかな寝息が夜に溶けていくのであった。

果たして、テルルの誕生日。
「…ええと、次は…プクリポリタン劇団から、団長クロムさんの黄金の像だそうで…」
しかし今日も今日とて、モノクルをかけて作詞に勤しむテルルの傍らで、届いた贈り物の目録を読み上げる。

「………えっと、その、最後にこれは…弟から…いや、弟と私から、花束です………あの、その…どう、ぞ」
歌手活動で磨かれた聴力がなければ聞き取れないほど、どんどんと声は小さくなっていく。
「………」
筆を止めモノクルを外して、テルルはじっと花束を見つめてたっぷり時間を溜めたあと、いたずらな笑みを浮かべて口を開いた。

「ふぅん?てっきり、花束は弟さんからで、貴女からはケーキなのかと思っていたのだけれど」
「…!!?」
当日まで悩みに悩んだ挙げ句、結局ありきたりにケーキを買い求めることにしたものの、当日ではホールケーキなどと気の利いたものも手に入らない。
結果、歪に異なるケーキの詰め合わせとなり、これはとても渡せない、こっそりと冷蔵庫の片隅にしまっておいて、あとで持ち帰ろうと思っていたのだが、目敏く見つけられてしまったらしい。

「知らないというなら、私のおうちの冷蔵庫にあるんだし、どうしようと自由よねぇ?そろそろティータイムにしようと思っていたのよ」
困惑をよそに、テルルは冷蔵庫から箱を取り出し、色とりどりのケーキに心躍らせる。
「ん~、まあ、どれも美味しそう!………ほら、グズグズしてると、一人で全部食べてしまうわよ?」
「わぁっ、ちょっと、ちょっと待ってくださいよ~!アクロバットケーキは譲れません~!!」
「ちょっとそれ一番誕生日ケーキっぽいやつじゃないの。ふふふ、まったく貴女ったら…しかしそれにしても沢山買ってきてくれたのね~、嬉しいわ!!でも流石に2人じゃ余るわね…そうだ、隣のマユラも呼んでもいいかしら?」
「勿論です!お声を掛けてまいります!あ、紅茶も準備しますね!」
「ありがとう………ふふ、今年も最高の一日になりそうね!」
パタパタとキッチンへ駆ける慌ただしい背中を、優しく見守るテルルなのであった。
        ~Happy Birthday~
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