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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2024-10-31 19:19:20.0 2024-11-01 23:59:22.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『無事息災』

3歳の『髪置』に始まり、男児は5歳で『袴着』、女児は7歳で『帯解』の節目を迎える。
五大陸例に漏れず、エルトナ大陸もまた、かつては様々な災厄に見舞われた。
天変地異、疫病の蔓延に、凶悪なモンスターの台頭………
子供が健やかに育つということが当たり前でない時代が、長く、長く続いた。
七五三の歳の節目を盛大に祝う風習が根付いたのは、その名残りなのかもしれない。

「…所以はともかくとして。あ~…何にも…浮かばない…」
「難題だねぇ、これは。ほい、根詰めすぎ、一息入れな」
じにーはすっかり勝手知ったるいなり邸にて、台所を借り紅茶を淹れてオスシに休憩を促した。

モデル稼業におけるじにーの頼もしい相棒であるオスシは、ここ数日、リリィアンヌ経由で舞い込んだ依頼に頭を悩ませていた。
相手はカミハルムイに駐在中のさるドルワームの貴族、一人娘の帯解の際の衣、すなわち、大人と同じ帯で締める、着尺地一反全てを使う『本裁ち』の着物を用意してほしいとの要望である。

それ故に形はオーソドックスに決まってはいれど、柄選びに難航しているのだ。
舌を火傷しそうな程の熱い紅茶で活を入れると、再びデザインを描いたクロッキー帳に向かうオスシなのであった。

こうなったら、しばらく言葉は届かない。
まばたきもせず筆を握るオスシの邪魔にならぬよう、そっと湯呑みを回収し、後ろ手に障子を閉める。
「…リリィのばっちゃんも、酷な依頼を持ってきたもんだ」
根掘り葉掘り聞くなどという無粋をするじにーではないが、明らかに血の繋がりのない姉妹、まして、激しく傷んだオスシの耳と背ビレをみて、何も察せぬ朴念仁でもない。

オスシ本人すら気付いてはいなかろうが、今回の依頼に苦戦する理由はきっとそこにある。
「…今日も遅くまでオスシに付き合ってくれてありがとね」
お盆と湯呑みを、ふらりと姿を見せた家主がさらっていく。

「なんの、別宅近いしね」
今からウェナ諸島は距離が勝ちすぎる。
今日はもとより、ここカミハルムイ近くの山中にある古民家に泊まる予定であった。

「晩飯は?」
「あ~、リーネが待ってるから、いいや。気持ちと、何なら材料費は頂いてもいいけど」
「ならせめて気持ちだけは無くならないうちにさっさと持ち帰んな」
しっしと追い払われ、じにーはいそいそと門扉をくぐる。
そうして去り際に一度、屋敷の方を振り返った。

それは確かに、他とは形が違って、普通ではないけれど。
オスシにもまた、確かに向けられているもの。
それに気が付けば、きっと今回の難題もするりと片付く筈なのだ。
きっとオスシなら、いや、オスシといなりなら、大丈夫。
あとはいなりに託し、愛車に跨るじにーなのであった。

(………あれ?寝ちゃってた…?)
今は何時頃だろう。
オスシは未だ微睡みの中ながら、うっすらと意識を取り戻したが、ここのところの無理がたたってか、まぶたを上手く開けない。

半分以上、未だ眠りの中にある頭でやっと、お姫様抱っこで運ばれている最中だと理解した。
自分より遥かに低い身の丈なのに事も無げにこの身を抱えあげ、板敷きの廊下を二人分の体重でも軋ませず歩く姉にあらためて武芸者の凄さを実感させられる。「…やれやれ。服がしわになるが、まあ仕方ないか」やがてゆっくりと柔らかな布団の上に横たえられ、毛布が首元まで覆い被さる。

「ゆっくりお休み」
すっかり目を開くタイミングを逸したオスシの頭に、優しくいなりの掌が触れた。
そうだ。
いつだってこうして、そばにいてくれた。

(ありがとう…いなり姉さま…)
悪夢にうなされぬよう、健やかに育つよう、‘’家族‘’の優しい眼差しにオスシもまた確かに見守られてきたのだ。
そうして久方ぶりにしっかりと睡眠を取ったオスシは、起き抜けにそれはそれは見事な晴れ着を仕上げたという。

「おっ、さらし飴?」
細長い棒状の飴を、包丁の背で割るカンカンと小気味よい音を聞きつけ、ひょいっといなりは勝手場を覗き込んだ。
「依頼の報酬に頂いたの。いなり姉さまもお一つどうぞ」
米から作った水飴に練乳を加えて煮詰め、何度も棒状に伸ばしては折り重ね、そうして仕上がった純白と、途中紅麹を加えた薄紅の2本の飴。

1年、また1年。
愛しい家族が、いつまでも健やかに歳を重ねられるように。
千歳飴に込められた甘い想いを噛みしめるように味わう2人であった。
                     ~完~
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