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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2024-12-03 09:44:50.0 2024-12-10 14:54:27.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『盤上の冒険』

こほんと1つ、咳払い。
んー、んんと喉の調子を整えて、クマヤンは如何にもな声で滑り出す。
「………なにゆえもがき、いきるのか…」
別作品からの引用であるが、まあ、雰囲気が合えばアレンジもまたひとつの醍醐味である。

いつもの酒場、しかし臨時休業の今日はさながら年季の入った骨董屋の如く、居並ぶ蝋燭の仄かな明かりに照らされている。
運命の導きのもとに集い、ここまで長く厳しい旅を共にした仲間たちが固唾をのんで見守る中、順番の巡ってきたマユミは彼女の頭よりも大きいダイスを勢い良く放り投げた。
「こいこい、こいこい………」
2転、3転…果たして運命のダイスロールは、望んだ結果を指し示す。

「「「いよっ、しゃああああああ!!!」」」
プレイヤー達の歓声が響き渡り、また一つの冒険が、幕を下ろした。
『勇者アベル伝説』、これは、三部作の伝記の大人気を受けて、一部作中と似た地名や設定を引き継いだオリジナルストーリーを軸に、文学作品よりも大衆の手に触れやすいようボードゲームの形に落ち着いた往年の名作である。

「うむ。しかし、あらためてまじまじ見ると…これはなかなかの逸品だ。ケースと駒は…こりゃ本榧じゃないか?道理で手触りも良いわけだ」
本榧は、木肌がキメ細かく、油分も多いため光沢も眩しい。
更には程よい弾力があり、駒とすればなんとも絶妙な打ち味を誇る高級素材である。

テキパキとマップを畳み、ケースに駒をおさめていくクマヤンをよそに、マユミは今更な抗議の声を上げた。
「百歩譲ってアベルがかいりは認めるわよ。ならせめて私はデイジィでしょ!?」
「おのれのダイス運を恨むんだな」
「ふぁーーーっ…!!」
そうクマヤンににべもなく返されてしまうと、二の句がつげない。

駒は各自のダイスの出目順で選んだ。
早々に勇者アベルをかいりに、2本角の兜が勇ましい紅一点のデイジィはぷきに奪われ、ぱにゃにゃんがモコモコ、自動的にマユミは残されたヤナックの駒に落ち着いたわけである。
「公式ストーリーの見せ場も多く、いつか見た朗読劇でも台詞が実に軽妙で味があってな。それになんといったって魔法使いといえばやはりパーティのブレインだ。俺は好きだぞ」
魔法の笊に座った姿を切り取った駒をクマヤンはそっと手に取った。
小さいながら、髭や煙管など、特徴を良く捉えている。

やはりボードゲームには想像力を膨らます作り込みが欠かせない。
その点でも、唐突にマユミらが持ち込んだこのボードゲームはとても優秀であった。
「しかし、なんだって急に?」
とても楽しいひとときであったが、もっと事前に知らせてくれれば、ゲームマスターとしての準備もより万全に整えることが出来たろうにと、クマヤンは少し悔しく思う。

「………はぁ、これだから仕事の虫は。やっぱり、すっかり忘れてるみたいね!何の為にレンダーシアくんだりまでして貴重な初版を入手してきたと?」
このマニア垂涎もののレアアイテムが黄葉商店に入荷したとの情報を聞きつけ、かいり、ぱにゃにゃん、マユミのゴールデントリオで海を渡り、ワルド水源を剣に乗って駆け抜けて…いや、長くなりそうなのでよそう。
かいりは回想をかぶりを振って追い払う。

「なんと!初版だったのか!!」
どうりで作りが豪華で、見た目も年季が入っている訳である。
よくも手に入ったものだ。
初版、その発売日といえば、35年も昔の…
「あ…!」
商人ならではの知見をたどり、クマヤンは今日が何の日かを思い出す。

「ようやく、思い出したみたいね。クマヤン、誕生日おめでとう」
一斉に、クラッカーが花開く。
歳こそ違えど、名作と同じ誕生日だったとは。
「しっかし、誕生日特権で勇者の役は譲ろうと思ってたのに。まさか、ゲームマスターを選ぶなんてねぇ。まあ、クマヤンらしいというかなんというか…あら、これ美味し」
ボードゲームが片付くと入れ替わりに、大皿にのった揚げ物が給される。

よもやボードゲームの一幕が始まるとは思いもよらず、かなり時間が経ってしまっているが、揚げ衣はまったく疲れを感じさせず、パリッとした食感の向こうに出汁の深い味わいが広がる
「いやこれホントにめっちゃ旨!」
絶妙な塩味に、ジョッキに注がれたエールも水のごとくすすむ。

「帆立の唐揚げ、素材が旨いからな、実は衣にはほとんど味をつけてないんだ。料理人としては、ちょっと悔しいくらいの品ではあるが…」
「いや発想、神でしょ。にしてもさ…何だか…主役に料理させてるのも申し訳ないわね」
「いや待て、何故剣を抜く?」
「大は小を兼ねるわ!!」
「兼ねん!ここでは絶対に!!」
特別な1日、さりとて、気のおけぬ仲間との、いつもながらの慌ただしくもあたたかい1日は、今日も賑やかにふけていくのであった。
        ~Happy Birthday~
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