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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2024-12-25 09:55:42.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『一陽来復』その1

高く離れた木の枝の先から小鳥が羽ばたいた音、あるいは、冬も深まったこの時分までかろうじて留まっていた枯れ葉がようよう枝から離れ、地にひらりと触れた音。
始まりは、そんな常人ならば気付きもしない、ささやかと呼ぶも烏滸がましい合図。

その一瞬にして、相手は赤いリボンに束ねられた長髪を疾走する馬の尾のように引き、唇が触れそうな距離にまで踏み込んで来た。
呑気に佇むに等しいこちらに対し、相手の刃は当然引き絞られている。
「ッ…!」
白雪のような肌の下から隆起した筋肉が、ミチッと関節を軋ませる音がした。
間髪入れず放たれた二刀からなる矢の如き4連撃を、辛くも逆手で一刀、隙間にねじ込み凌ぎきる。

深く踏み締めた爪先が、斬撃の圧に押しやられぐいと地に線を引き、片手では当然受けきれず、棟に押し当て支えとした左の腕までビリビリと震えている。
開いた距離を再び詰められる刹那に、ぶんと腕を振り痺れを払う。
その隙に跳躍からぐるりと回転を交え、掬い上げるような横薙ぎの一閃が眼帯に覆われた左から迫る。

死角から狙うは卑怯ではない。
立場が逆ならこちらだってそうしている。
故に望むところ、二刀を交差させピタリ受け止めた。
そのまま膂力に任せ、衝突した刀はギリギリと鍔迫り合う。
しかし互いに刀は二振り、当然ながら、うちひとつが拮抗しようと息つく間などない。
着地から流れるような足運びでしかと構え、もう一方の刀を振るう。

振り下ろしの一撃を受け止めたが、それはこちらが対応してくるのを想定した大振り、衝突の瞬間にわずか力を抜きわざと大きく弾かせ、そこから滑らせるように袈裟に斬ろうと二撃目が迫る。
ほんの刹那でも泡を食えば、押し留めている一太刀も攻めに加わってくるだろう。
真っ向から切り返すか、受けるか、払うか。
目まぐるしく突き付けられる選択肢、ただの一つも間違えられぬ問いが延々と続く。

切り結びは将棋に似る。
ただし、既に七段目まで攻め込まれ、こちらは手駒がわずか1枚に対して敵は1枚も欠けがない、そんな絶望的な状況だ。
打開の一手など在りはしないように思える詰将棋、しかしその中であっても、せめて一矢報いるなどという妥協でなく、あくまで勝ちを諦めぬその瞳に、強者は愉悦で顔を歪めた。

林の中に、剣戟の音が響き続ける。
はたから見れば、一方的な戦いに映るだろう。
しかし圧倒的な手数で圧している剣士、その黒髪に隠れたうなじには、じわり冷や汗が浮かんでいた。

目の前の相手は、けしてただ狩られるを待つ容易い獲物ではない。
那由多を数えるような斬撃の雨あられを這ってでも掻い潜り、起死回生の一太刀を必ず浴びせてくるに違いないのだ。
さぁ、どう来る?どう凌ぐ?どう返す?

わずか一駒とて、お前はつまらぬ歩ではない。
角にも飛車にも、王将にとて成り得る。
喉元に刃が触れているのは、お互い様だ。

にたりと熔ける顔は戦いのさなかに不躾ではあるが、それこそこのアストルティア随一の大剣豪が、相手を真剣に斬るに足る敵と認めている証。
こちらもまた、認められた喜びに頬が紅潮してしまうのを止められない。
かくなる上は、ただひたすらに全力を出し切るのみである。

………やがて一際甲高い決着の音が、雲を割かんばかりに空へと突き抜ける。
これまでの戦績、ハンデと偶然が盛り盛りの一勝に対し、負けの数はもはや計測不能。
結局いつもの通り、かげろうから額に一撃を頂いてしまういなりなのであった。
                      続く
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