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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2024-12-30 23:30:37.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『一夜が明くれば鯖が礼に来る』その4

「…ん~…?やぁっと帰ってきやがったか」
ルシナ村の桟橋で釣り糸を垂らしていた老人は、隻眼を細め、遠くに浮かぶ船影を捉えた。
煙管を外すと、ぷかっと煙の輪を浮かべ、ルシナ村の長老にしてソウラの祖父でもあるオルカンはにやりと老獪に笑う。

「…ところで、お前さん…ああ、ヒッサァっつったか?ただならねぇ雰囲気だが、いったい何処の料亭で修行したんでぇ?」
「いえいえなんの、ただの横好き、全くの素人ですよ。村の奥様方の足を引っ張らぬよう、精進させていただきます」
オルカンの傍らに立つ、眼鏡も相まって理智的な印象を与えるオーガの青年は、柔らかな色合いの着物にピシリと腰紐でたすき掛け、エプロンがわりの袴には桜がほろりと舞う。

何処からどう見ても一流の板前の風格、これで素人と言い張る方が無理がある。
「カッカッ!謙虚な奴は嫌いじゃねぇ!そういう奴は、たいてい鋭い爪を秘めてやがるからなァ!…期待してるぜぇ」
そうこうしているうち、ルシナ村の桟橋に続々と船が入り、慌ただしく木箱に詰まった鯖の搬出が進められる。

そんな最中、浜辺で互いに腕を組み、バチバチと火花を散らす2人のウェディの姿があった。
「久しぶりだな。いつぞやの年末、マグロを捌いて以来か?腕はなまってないだろうな?」
「誰に言ってんだ?アンタこそ」
一触即発、しかし剣呑な空気は、くいとその片割れのズボンを引く少女の声に掻き消される。

「喧嘩はめっ、だよ」
「わ~かってるよ…ったく、調子くるうぜ」
ばつが悪そうに長剣を背負う剣士はガリガリと後頭部を掻く。
「ふふふ、お二人、焦らずとも、鯖を捌いた数で平和に競えばよろしい。まあもっとも、私も負けませんがね?」
続々と運ばれていく木箱の一つを自らも担ぎながら、闘志の炎を背負うヒッサァであった。

ギブの立てた作戦は二段構え。
鯖の漁労とぬしさまの撃退は、まだ一幕目に過ぎない。
「腹をすかせた冒険者たちが群れをなしてます。手早くいきましょう!」
第二陣の指揮をとるは、本職たるクマヤン。
ヒッサァを筆頭に、調理に一家言ある冒険者と、ルシナ村から募った料理自慢でチームを作り、村全体の台所を借りて鯖と相対する。

鯖に悪意はない。
やむを得ず生命を奪う以上は、勝手ながら、無為にせぬことがせめてもの弔いだ。
冷凍保存する、と言ってもかのエスコーダ商会とて倉庫に限度がある。
で、あれば、収まりきらぬ分は集った冒険者たちでもって、美味しく頂けばよい。

「やっぱ、最後に飯食ってようやく締まる感じがするよな」
「そういや、あん時は宴会なんて雰囲気でも無かったからなぁ」
「ああ」
海底離宮突入作戦。
規模もさることながら、あわやヴェリナードは焦土となりかけ、ともすれば、ウェナ諸島の地形も変わりかねない一大事に発展した。
双方に人的被害が無かったのはまさしく奇跡、もはや『戦争』と呼ぶに相応しい惨事の後では、そのような流れとならぬが必然である。

流石に100人超、ずらり浜辺一面にテーブルと椅子が並ぶが、ぞくぞくと腹をすかせた冒険者たちで埋まっていく。
宴の始まりはまだかと、早くも皆首を長くしている。
鯖は鱗が少なく、比較的処理が易い魚である。
とはいえ油断せずしっかりと包丁の刃先で鱗を丁寧に落とすと、胸ビレをめくり、頭の側に胸ビレと腹ビレが残るラインで一気に鯖の頭を切り落とす。
続いて腹を裂き、内臓と血合いを抜いたら、あとは3枚におろす。

仕上がった切り身を、まずは刺身にしてはいくらか薄くスライス。
同時に、別の班は醤油に味醂を混ぜ合わせ、そこになんといっても欠かせないたっぷりのすり胡麻を混ぜ合わせる。
そうして出来た調味液にスライスした鯖をしっかりと馴染ませれば、新鮮であるが故に出来る楽しみ方、『胡麻鯖』の完成である。

胡麻鯖は最初の品として、各テーブルへおひつのご飯とともに。
熱々のご飯との相性は言うまでもなく、各自がアレンジできるよう、ワサビや海苔などの薬味や、茶漬け用の番茶も抜かりない。

同時にもう一品、まな板の上で切り身に味噌と酒、葱と大葉、すりおろした生姜をどさっと載せ、あとはひたすら粘り気が出るまで包丁で叩き続ける。
そのまま給すればなめろう、一部は貝殻に詰めて火を通し『さんが焼き』として、生魚が苦手な冒険者への配慮も抜かりない。

ちょうどその頃には各自にジョッキも行き渡り、ようよう宴の準備も整った。
調理にあたる冒険者も、片時腕を休め、耳を傾ける。音頭はもちろん、あの人である。
キャプテンハットを脱ぎ捨て、いつもの鉢巻、我らが大棟梁が、満を持してマイクを握るのであった。
                      続く
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