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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2024-12-31 15:26:48.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『一夜が明くれば鯖が礼に来る』その5(完)

「よ~し野郎ども!とりあえずはお疲れさん!!料理チームは引き続きよろしく頼みます!さぁ無礼講、ってのはもう、いつかのヴェリナード城で話したわな!?目一杯、盛り上がっていこうぜ!乾杯ッ!!!」
「「「「「「乾杯!!!」」」」」」
「いよっ、まってました大棟梁!」
「…二杯目お願いしま~す!」
「私も頼む」
「…リーダー、くれぐれも飲み過ぎには…」
ジョッキが打ち鳴らされ、わっとルシナ村の浜辺は色めき立つ。

「さて胡麻鯖となめろうで時間を稼いでる内に…」
切り身を除かれた骨の部分も有効活用。
捌かれた端から血を洗い流し、振り塩で滲み出した臭みを洗い流し、さらに熱湯にさっと浸して血合いやぬめりを落とす。
この熱湯に晒す霜降りと呼ばれる行程を挟んでから鍋に放り込み出汁をひく。

「サバ味噌はマストよクマヤン!」
「分かってるって」
焼き物や揚げ物、それぞれに役割を振る中、クマヤンの担当は煮物である。
相棒のリクエストがなくとも、サバ味噌は献立に勿論入っている。
先ほどの鯖出汁に砂糖とたっぷりの酒でベースを作ったら、ブツに切った鯖の切り身にも霜降りを施して生姜と共に投入する。

灰汁を取り除きつつひと煮立ち。
ダマにならぬよう気をつけつつ味噌を加え、中火で再び煮立ったところで落し蓋をした。
あとの仕上げは時間に任せるのみである。
「ん~っ、楽しみねぇ」
早くも漂い始める優勝確約の薫りを胸いっぱいに吸い込み、踊るように空を舞うマユミなのであった。

「…ちょっとちょっとあんたたち!こんな時まで水晶球にタロットなんて並べちゃって!」
「姉さんこそ、踊りの一つでも披露して稼いできて!誰のせいだと思ってるのよ?ラッカランでいくら失ったか、わかってる?」
「あ、あれは…先行投資よ!いつか返ってくる日まで、預けてるの!ほら、ユク!見なさいよコレ!!と~っても美味しそうでしょ?」
妹に声をかけたのは藪蛇だった、せめて片割れは仲間に引き入れんと、串に刺さった塩焼きを差し出す。

「う~ん…良い薫り…」
擦り砕かれた岩塩の粒が切り身のそこかしこで熱に蕩け、鯖の脂と混じり甘美な芳香を漂わせる。
たまらず齧り付けば、パリパリに仕上がった皮目に閉じ込められた旨味が爆ぜた。

「ミネアさんコレは絶対食べなきゃダメだよ!ユクの占いにもそう出てる!!」
「………あらまぁほんとにいい塩梅だわ…」
「でしょでしょ!?」
「仕方ない、仕事はここまでにしましょう」
もとより、当たり前といえば当たり前だが客足は芳しくなかった。
さっぱりといただける梅の挟み揚げに、丸ごと鯖一匹がずどんと載った土鍋炊き込みご飯。
路銀の心配を明後日に投げやって、しその焼酎は飲み過ぎぬよう姉を窘めつつ、めくるめく鯖料理に舌鼓をうつ3人なのであった。

「よっしゃ!お好みにソース塗るで!マヨネーズとカラシいらんかったら言うてな!」
一方、いつの間にやら屋台風に外観まで整った調理場の一つから、気前の良い声が響き渡る。
「なるほどなのだわ。こうしてほぐし身にすれば、色々応用も利くし子どもたちも骨を気にせず食べられるのだわ」
マユラを前に鉄板上でテコを振るうメイク濃い目のプクリポの彼女は突入部隊でもなければ、ルシナ村の衆でもない。
傍らで塩焼きを量産し続けるヒッサァもやや困惑気味に視線を送る。

しかし兎にも角にも大事なことは、その手による鯖のほぐし身たっぷりのお好み焼きが、たいそう蠱惑的であるということだけだ。
気が付けばその場にぬるりと溶け込んでいる。
それがカンサイのおばちゃんという生き物なのだ。

「こっちにも、その美味しそうなやつ、お願いしま~す!!」
「承りまし、たッ!よっ、ほっ!じゃんじゃん焼いてくで~。そうや、あの子らにも持って帰ってやらんとな~」
手際良くお好み焼きが次々と宙にくるりと舞い踊る。
「じゃ、このお皿も持っていったってな~」
いつしか人気と勢いに押され、ヒッサァはすっかりお好み焼きの配膳係と化していた。
「あ、はい、って…あれぇ!?」
皿を両手に、ちらり遠目に垣間見た軽く5、6人分は南蛮漬けが載っていたはずの大皿は、2人の虎、もとい武闘家の少女たちにより一瞬にして片が付いていて、ヒッサァは目を丸くする。
ほんとに一体誰なんだろう…疑問は尽きぬが、幸か不幸か、手を休めている暇は、どうやら全くないらしい。

クエストは人生のようなものだ。
良いも悪いも、幸も不幸も、悲喜交交、時にはつまづき立ち直るに時間を要することもある。
そんな時、助けた人の笑顔や、共に成し遂げた仲間の誇らしげな表情が、いつだって再び前に進む勇気をくれる。

また1年、歩み抜く気力を溜め込むように、夜を迎え年を超え、初の日の出が上がっても、宴は賑やかに続くのであった。
  ~来年もよろしくお願いいたします~
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