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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: デスマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2025-01-05 15:20:33.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『搗いた餅より心持ち』

「…や~、まあ行っても良かったんだけどね」
新春、三ヶ日は瞬く間に過ぎ、はや4日。
病み上がりのじにーは、身体を冷やさぬようこたつにすっぽり納まり、オスシから給された熱いお茶をズズッとすすった。
「無理はいけませんよ」
「そ~そ~、まあ面白いものは見れたかもしれないけど」
いなりの妹にしてじにーのモデル稼業の相棒でもあるオスシと、末妹ヤマはそれぞれに性格のよく表れた言葉でじにーの判断を肯定する。

じにーもまた、年末年始にまたがる鯖退治に誘われていたのだが、直前に熱を出して寝込んでいた為、海風に身体を冷やすのも如何なものかと辞退したのだ。
「それな!絶対に面白かったと思うのよ!!」
「…やれやれ。姉さまに怒られても知りませんよ?」盛り上がるじにーとヤマに呆れつつ、オスシは襖に仕切られた隣室を見やる。

結果として意気軒昂、いなり家のおせちを万全の体調で迎えることに成功したじにーであるが、襖の向こうでなお延長戦が続く、ウェナ諸島近海での痴話喧嘩を見逃したのはまこと痛手である。
よもやこの戦場にいなりの目があるとは思ってもおらず、飲みかけの酒が詰まった樽を抱えて船から船へ飛び移り逃亡を図るかげろうと、鬼の形相で追いかけるいなり。
運悪く行く手を遮ってしまった魔物はそれはもう見事なまでに粉微塵に斬り刻まれていったという。
完全なとばっちりである。

「さてまあ、到底無くなる量でもなし、先に頂いてしまいましょう」
「よっ、待ってました!」
待てど暮らせど襖は開かぬ。
オスシは漆塗りの重箱をとんと机に置き、ぱかりと開いて並べていく。

今でこそ正月の定番のおせちであるが、もとはカミハルムイの古の風習、『御節供』から来ているという。人日、上已、端午、七夕、重陽の5つの節句に神様に料理をお供えする行事で、それがやがて1年の始まりとなる正月を特に重要視するようになり、正月料理を指し示す言葉へと変化した。
つまりはおせち料理とは神様に捧げるものであり、おせち料理をいただくことは、神様と食事を共にするということで、福を招き災いを祓うと考えられるようになったのだ。

それ故、おせちの食材や料理はどれも縁起を担いでいる。
まずどんと目立つ鯛の姿焼きは『めでたい』の語呂合せ。
朱が鮮烈な車海老の艷煮は、年寄りのように曲がった腰から長寿でいられるよう願いを込めて。

鰤はご存知のとおり出世魚、その照り焼きは立身出世を願った縁起物。
そして、今まさに喧嘩中の2人に相応しい、左右の貝殻が合うものは2つと無いことから夫婦円満を願う煮蛤に、『よろこぶ』に通ずる、にしんを巻いた昆布巻き。

箸休めのなますは紅白で水引を、伊達巻は知識が増えるようにと巻物を象る。
甘辛く煮た黒豆は、黒く日焼けするほど勤勉に働けるように。
隙間に、色合いを黄金に見立てた金団など、オーソドックスな定番をぎゅっと詰め込んだ1段目は、それはそれとして流石いなり家三姉妹の合作、大変美味であるが、風習に対する建前、いわば前座である。

2段目、3段目には、ローストビーフやアワビの煮付け、エビチリに肉団子の黒酢あんかけ、さらには味噌カツを挟んだサンドイッチに、レモンを添えたジューシーな唐揚げ、別皿でソフトクリームの山が鎮座する焼きたてデニッシュなどなど、思い思いに好物が並ぶ。
各種エールに各地の地酒、湯気薫る焙じ茶にメロンソーダと、飲み物も豊富だ。

まさに具現化した酒池肉林。
そして最後の仕上げとばかりにスパンと襖が開かれる。
やあ、ようやっと喧嘩も終わったかと視線を向ければ、2人がかりで大きなケーキの載った皿を持ち上げるいなりとかげろうの姿があった。

「「「「誕生日、おめでとう!」」」」
「おっ、おおっ!?今日…てかこのタイミングなの!?」
「…じゃ、まだ説教の続きがあるから」
「助けてぇ………」
ケーキの皿を机に載せると、いなりはしとしとと涙を流すかげろうの首根っこを掴んでズルズルと引き摺り再び隣室へ、そして天の岩戸がピシャリと閉じられる。

「襖芸みたく誕生日祝わないでくんない!?てか、まだお説教終わってないのかよ!!?」
御節供がおせちへと姿を変えた過程。
かつては数え年といい、生まれた際を1歳とし、以降元旦を境に歳を数える風習があった。
年の始め、初回の御節供は誕生の祝いを兼ねる故に豪勢で、その名残りか、大晦日におせちを召す地方もまだ存在する。

何にせよ、お祝いの席なのだからなおのこと、やがて新春セールを終え駆け付けたリーネとともに、賑やかな声で天の岩戸を開き、いなりとかげろうも加え皆仲良くおせちを囲んだのであった。
完全に酔っぱらったリーネが頑として譲らず、何故だか2人がかりでバースデーケーキに入刀することになったのは、全くの蛇足である。
   ~HappyBirthday~
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