こちらは、蒼天のソウラの二次創作です。実際の漫画のシナリオ、キャラクターとは関係は有りませんので、ご理解の上お進み下さい。
使わせていただいた突入部隊の方で、不快感や修正点など有れば直ぐにご連絡下さい。可能な限り早く修正・削除等対応します。
「どうしよう・・・」
レヴィヤルデの一角。冒険者達の寝室にとあてがわれた大部屋。そこで今1人のエルフの少女がどんよりと暗い雰囲気を纏っている。
ラベンダーの髪に蕾のようなコサージュが印象的な少女、突入部隊の1人であるユウリは出航1日目の夜にして一つの問題に直面していた。
「うぅ~マシロちゃん~・・・何で別の艦なのぉ・・・」
友人が居ないくて心細いと言う年相応であり重大な危機に。
日中は良かった。潜水艦と言う特殊な環境と何だかんだと騒がしくする他の冒険者達。憧れの人のPTメンバーであるうりぽからは当の憧れの人の話も聞けた。しかし、こうして就寝前の静かな時間になって来ると、上がっていたテンションも落ち着き、気心知れた友人が居ないと言う状況を嫌でも実感してしまう。周囲の冒険者が同年代より年上の方が多いと言う状況も、心細さに拍車をかけていた。
「こんな時、ソウラ様ならどんどん冒険者に話しかけて言ってるはず・・・!」
憧れの人の名前を呟いて、勇気を振り絞ってみたものの、いざ話しかけて見ようとすると、体が固まってしまう。そもそも自分はそんなに外交的な性格じゃないし、でもやっぱり憧れの人に近づくためにも・・・
悶々と一人で悩んでいる時、頭上から突如快活な女性の声が降ってきた。
「ねえアンタ大丈夫?さっきから隅でクネクネしてたけど、船酔いでもしたの?」
「ピィ!?」
急激に思考の海からレヴィヤルデの艦内に意識が浮上する。と言うか、急激すぎて飛び上がってしまい、頭上の人物と盛大なご挨拶をする事になった。
「あいったぁ!?」
「あぁ!?ごめんなさいごめんなさい!?大丈夫ですか!?」
上から覗き込んでいた結果顎に強烈な頭突きをされ悶絶している相手に、慌てて平謝りする。
「あー平気平気。今のはどう考えてもかいりが悪いから。」
「大丈夫だよかいり!傷は深いよ!」
「そ、それだめじゃない・・・」
そんな二人の元に更なる声がかかる。正に妖精と言った雰囲気の白い女の子と、そちらとは逆に小悪魔のような黒い女の子。
「あっ・・・燃えてきてた人達・・・!」
その二人、妖精のマユミとぱにゃにゃんの姿を見て、思い出したと声を上げる。
「もー!かいりが目立つから変な覚え方されちゃったじゃない!」
「ちょ・・・ちょっと待って・・・顎・・・顎がね・・・?」
プンスカと擬音が付きそうな雰囲気を纏い、顎を抑える女性、かいりの耳をぱにゃにゃんが引っ張る。一方かいりは未だ顎へのダメージで悶えていた。隣でマユミが、真似をするようにくるくると空中で舞っているそれを、仲が良いなぁとでも言いたげに眺めていたユウリだったが、ふと足元に目を向けると、一冊の絵本が落ちている事に気付いた。