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星辰の羅刹王

ミャジ

[ミャジ]

キャラID
: PH644-410
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 120

ライブカメラ画像

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ミャジの冒険日誌

2019-10-24 18:33:12.0 テーマ:その他

ゆキンカク勤労記録撃退編~蒼天のソウラ二次創作②~


午前中の座学と武芸時間、お嬢様のやる気が高く、座学の方は予定より早く進行している。日数を減らし、休息や稽古の時間に当ててる事も考慮すべきか。

昼食。キメラの翼でヴェリナードへ向かった私達を迎えてくれたのは、特務艦二隻の艦長のお二人だった。VIP待遇である。
ヴェリナードを訪問していた旦那様と合流し、要人を交えての会食。お嬢様も緊張で失敗は有りましたが、あれぐらいであれば年頃の令嬢の可愛い失敗と、寧ろ好印象なので良いでしょう。女王陛下が先日マルチナ嬢が私掠船の件で訪れた際の事を話された際に本日一番顔を輝かせていたことも追記。

昼食後に造船所の見学。建造の進行具合の報告は受けていましたが、改めて完成が近いその威容を見ると別の感動がある。案内してくださったのはレヴィヤットの艦長アスカ様だ。お若いながらもこれ程の大役を任される人材であり、とても優秀なお方だ。説明やこちらの質問への回答も丁寧で、お嬢様の事も令嬢として軽んじず同じ作戦に参加する仲間として接して下さる。それを確認出来た事も有意義な時間であった。


「はぁ~やっと帰って来ましたわぁ~」
「エイダお嬢様。お気持ちは分かりますが、ドレスに皺が出来てしまいます。入浴の準備は済ませて有りますので、先に済ませてくださいませ。」

記帳していた日誌を閉じ、お嬢様にお召し物の替えとタオルをお渡しする。いくら護衛とは言え入浴までついて行く訳には行きませんからね。我々には護衛としての仕事も有りますので。

「髪は傷まないようケアして乾かした後、湯冷めしてしまわないうちに布団に入られますよう。」
「分かっていますわ!マルチナさんの様な美しい髪を目指しているんですもの!」

お嬢様に髪のケアについて言い含めた後、メイドに目配せをする。小さく頷いた事を確認した。当家の人間は優秀な人材ばかりで助かる。

「ではエイダお嬢様。おやすみなさいませ。」

扉が閉まったのを確認すると、私は踵を返し、眼鏡を一つ指で押し上げる。

「ぷき、仕事の時間ですよ。」

取り出した「断罪のジャマダハル」を一つ撫でると、私達は暗闇へ歩き出した。


屋敷の屋上。月光のみが照らすその場所に、人影が蠢いていた

「おい、本当にこんなお屋敷のお嬢様が作戦とやらに参加するのか?」
「確かな筋からの情報だ。行くぞ、野郎ども。」

静かによく通る声で話す。だが、後ろから返事が返ってくる事は無かった。

「おいお前ら、重要な仕事だからってそこまで静かにするこたぁないんだぜ?」

そう言って振り返ったリーダー格の男だが、その瞳がすぐに驚愕で見開かれる事になる。

「今晩は、残念ですが、当家はアポ無しでの訪問はお断りさせて頂いております。」

先程まで後ろに居た仲間たちはその悉くが拘束されて屋根の上に転がされている。そして眼前には執事服の男。言うまでもなくゆキンカクが立っていた。

「なんだてめぇ!?どっから湧いて出やがった!」
「その質問、寧ろこちらがするべき類の物でしょう・・・がっ」

男の眼前に武器を突き出すゆキンカク。言葉こそ穏やかだが、目の奥は一切笑っていない。

「予想は付いている。最近、作戦に参加予定の冒険者が襲撃されていると言う話をアスカ様から聞いていたのでな。」

爪の切っ先が光り、その迫力に襲撃者の男は思わず唾を飲み込む。

「故に、今回捉えた貴方達は明朝お嬢様が起床される前にヴェリナードに送らせて頂きます。お嬢様にお屋敷に襲撃があったなど、万に一つも知られるわけにはいきませんのでね。」
「うわぁあああああ!」

襲撃者の男が逃げ出す。が、それをするのであれば、屋敷の敷地を跨ぐ際にするべきであった。

「近所迷惑となりますので、お静かに願います。」

逃走する男の眼前に回り込んだゆキンカクがそのまま体ごと敵を蹴り上げる。

「ぷき」

静かに呼ぶ声に応えるように打ち上げられた男の更に上に小さな体には似つかわしくない大振りに獲物をもったぷきが、その重さを感じさせないフルスイングで下へ撃ち落とす。
武器を外した拳を落下して来た敵に容赦なく叩き込む。肉を鈍器で叩いたような音の後、男は動かなくなった。
ぷきが早業で襲撃者を縛り上げると、襲撃者のボタンをまとめて引き千切った。後でまたメイドにボタンを渡してケーキをねだるのだろうと当たりを付けたゆキンカクは、後々口添えして置かなければと考えつつ胸元より予定帳を取り出す。

「これにて本日の業務は終了。明日の予定に朝一でのヴェリナードへの出荷業務を追加・・・と。」

私が居るかぎり、エイダお嬢様に手を出させる事はしない。たとえそれが今足元に転がるケチな襲撃者でも、離宮とやらに潜む魔公子であろうともだ。
パタンと予定帳を閉じる、懐にそれをしまう彼の眼鏡は月光を反射し煌めいた。
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