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星辰の羅刹王

ミャジ

[ミャジ]

キャラID
: PH644-410
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 120

ライブカメラ画像

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ミャジの冒険日誌

2020-04-05 11:24:48.0 テーマ:その他

剣鬼VS英雄志望~蒼天のソウラ二次創作②~



見合った二人。先に仕掛けたのはかげろうの方であった。
予兆等感じさせず、一息で踏み出す。下段に構えた刀が、這う様にかいりに迫る。

(早い!けどその程度なら切り返しで・・・!)

両手剣と片手剣の一番の差はその初速と威力に有る。その巨大さと重量故に、両手剣はどうしても片手剣のそれに比べて初速が劣る。
故にかいりが選んだのは後の先【カウンター】迫り来る剣を打ち払い、返す刃の重さで叩き潰そうと。

(いい眼をしている。だから、そう言う奴こそコレが効くんだよね!)

瞬く間。文字通りかいりが瞬きをするその刹那の間に左下段から振り上げられていた刀が、上段からの振り下ろしに変化する。

「・・・!ダメっ!かいり!上よ!」
「えっ・・・ッつぅ!?」
「あ、しまった。」

突然目の前で斬撃が変化する。

不可視剣“瞬華”

かげろうが得意とするその技を、横から気付いたぱにゃにゃんの警告で辛うじて防ぐ。

「ん~そっか。何となく一対一の気になってたけど、妖精さん達の目までは流石に合わせられないからなぁ。」

ぼやくかげろうに対して、戦慄するのはマユミ達だった。
まばたきをしている間に切る。言ってしまえば簡単だが、技量で語れる領域外の闘い方。

「うわ~。かいり~どうする~?」
「いやどうこうできるのアレ?そう言う次元の話じゃ無い気がするんだけど?」

一合切結ぶだけでその力の一端を見せ付けたかげろうにぱにゃにゃんは引き攣った笑みを浮かべ、マユミは頭を抱えくるくると飛び回る。

もっとも

「いいじゃない!刹那で切ってくる剣豪。相手にとって不足なし!アタシは燃えてきたわよ!」

『彼女』にとっては発奮剤にしかならなかったが。

「ほお、言うじゃ無いかお嬢さん。良いねぇ。切り合いはそうでなくちゃ。」

ニタリと口を三日月の様に歪め、頬を紅潮させてかげろうは笑う。

仕切り直す。刀を構え、戦士を見据える。

仕切り直す。剣を構え、剣士を見据える。

「剣士、かげろう」
「戦士、かいり、そして大切な盟友、マユミ、ぱにゃにゃん。」

「「いざ!!!」」

口上を口にする。
カウンター狙いの先とは違い、同時に一足目を踏み出す。

「剛力呪文“バイキルト”!」
「加速呪文“ピオラ”!」

妖精“盟友”達の呪文がかいりに届く。

(地力はあっちが上でしょ!でもアタシには二人がついてるんだから!)

加速呪文により、一手早く両手剣をかげろうに振り下ろす。

「んぬ・・・あぁ!!」
「いくら早かろうがそんな大振りじゃあ・・・ね!」
大上段から叩き付けられた刃。決して遅くは無い。むしろ冒険者全体で見ても速い部類に入るかいりの一撃を、かげろうは半身になり容易く躱す。

「そうら!またガラ空き・・・だッ!?」
「火球呪文“メラ”!」

転身しそのまま刀を振り下ろそうとしたかげろうは、横合から飛び込んで来た火球を更に身を捩り躱す。

「でぇあああああ!!!」
「・・・ッく!」

体勢を整える前に裂帛の気合いと共に再びかいりの両手剣が唸りを上げる。横合いから力任せに振り抜かれたそれを、刀で強引に逸らす。

「氷針呪文“ヒャド”!」
「ぇえ!?また・・・ッと!」

今度は氷の針が背後から飛び込みかげろうを襲う。
火球もそれも、一発当たる程度なら怪我をする程度の小粒な攻撃だ。

(だが・・・)

三合目。再び襲い来るかいりの豪撃を身を伏せて躱す。
だが、次の一歩を踏み出す前にかいりの足元から顔を覗かせたぱにゃにゃんが練り上げた魔力を解き放つ。
「もいっちょ!火球呪文“メラ”!」
「ッくぅ!」

刀を振り上げてそれを打ち落とす。纏めてかいりもと狙いはしたものの、踏み込みが足りず、軽く身を引かせ躱される。

徹底してかげろうの動き出し。あらゆる行動の出頭を叩く。

(綺麗な髪だと思ったけどこうも目の前で大きく動かれると・・・)

かげろうが動きに合わせ流れるかいりの艶やかな長髪に目を細める。
事実その美しさとは裏腹に、その長髪が暗幕代りとなってかげろうの視界から妖精達を隠す。

(良い連携をしている。こりゃあ、三人同時に相手にするのはマズったかな・・・?)

そう考える思考とは逆に、彼女の口元に浮かんだ三日月はより一層鋭さを増していく。

そして、かいりもまたかげろうのその技量に畏敬の念を感じていた。
かいりが剣と共に舞い、ぱにゃにゃんとマユミが呪文で援護・遊撃する。かいりの重撃を受け切れなければ、即座に妖精達の呪文による集中砲火。妖精達の呪文で体勢を崩せば、即座にかいりの必殺の一撃が叩き込まれる。互いの動きや性格を熟知しているが故の僅かな隙も生まぬ圧倒的な連携。詰まるところ、この連携は彼女達にとってそれ程オーソドックスであり、王道なのだ。

にも関わらず。である。


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