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星辰の羅刹王

ミャジ

[ミャジ]

キャラID
: PH644-410
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 120

ライブカメラ画像

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ミャジの冒険日誌

2020-04-05 11:31:59.0 テーマ:その他

風泣く岬で再戦を誓い~蒼天のソウラ二次創作⑤~




かげろうを連れ戻す。本来の役目のため遠路遥々風泣き岬までやって来ていた彼ら。その中の一人、和装を纏ったウェディ『ももわか』と最初にかげろうに襲撃をかけたプクリポ『はっしぃー』が、未だ呆けるかいり達の元へ近付く。

「姐謝殺(シャシャッシャ)!」
「・・・なんて?」
「うちの姐さんが襲い掛かってすみませんでした~って。」
「え!?あれだけでそんな意味になるの!?」
「いやなるかい」

口元に手を当て、はんなりと笑うももわかの言葉に、思わずかいりが驚き、ぱにゃにゃんが突っ込む。
コロコロと鈴音の様に笑うももわかに毒気を抜かれ脱力して行く。

「それじゃあ私たちは帰るね~お嬢がご迷惑おかけしました~!」
「・・・ちょっと待って。」

慌ただしく立ち去ろうとした陽炎衆達を呼び止める。急にどうしたのか周囲の目線も気にせず、ツカツカとかげろうを担ぐタカの下へ歩む。

面白そうにかいりを見下ろすかげろう。
何かをこらえる様にかげろうを見上げるかいり。

両者の目線が交錯し、一拍互いの瞳に様々な感情が映る。

「・・・次は負けないから!」
「次は私に一撃位は入れて見せておくれ?」

その反撃に言葉が詰まる。くるりと背を向け、大地にどっかりと胡座をかいて座り込む。

「それだけ!じゃあね!」

ムッとした表情のきみどりをタカが手で制する。

「ばいば~い!」

そのまま森の中へ引き返す彼らを手を振り見送るのはマユミのみ。
かいりは終始、そちらの方向を向く事は無かった。



「・・・行った?」
「うん。あのエルフのお姐さん凄い嬉しそうに笑ってた!」

言葉少ない問いかけに、無邪気にマユミが応じる。
ばさり。組んでいた足を放り出し、さわさわと泣く大地に寝そべる。

「んはー・・・負けたー!」
「完膚なきまでにね。」
「一撃も入れられなかったわねー」
「多分煤けさせたのがいちばんの成果だったね~」
「手心加えられてたわねー」
「他の物まで奪われそうだったわね。」
「はわわだったよ~かいり~」
「・・・2人とも酷い!?」

容赦の無い妖精“盟友”達の言葉にかいりは悲鳴の様な声を上げる。こっちは行き場の無い感情がぐるぐるとお腹の下を回っているのにと。

そんな時だった。

「・・・?かいり~!何かいるよ~!」

マユミが指差した先はかいりの真上。巨大な入道雲。その真っ白な雲中を何かが蠢いている。
断片のみが見えるそれは細く長い体躯。チラチラと見え隠れするその背には数え切れない程の対の翼を背負っている。

「龍・・・」

かいりが思わず呟く。全容を見せぬその姿が、逆に想像と畏敬の念を刺激する。
彼女達は暫し、雲の切れ間から覗く雄大なその姿を見上げる。

龍とは、ある種自然の象徴である。とは、何の物語の一節だったろうか?
時に人々の希望を容易く踏み躙り、時にその叡智を授け、時には横に並び立つ。
数多の伝説、物語に置いて重要な役割を担う。それが龍種と言う存在。

それを目の当たりにしたが故にだ。大地に滴が溢れた。
その雄大さ故に、かいりの頬を熱い物が伝う。
これは悔さなどでは決して無い。その雄大さに溢れたのだと、意味も無く心の内で叫ぶ。
友は静かに、気付かぬフリをして、共にそれを仰いでいた。
そうする事で、本当に久しぶりにかいりはその滴で大地を濡らした。

やがてその姿が見えなくなり、入道雲も遠くへ流れていく頃。かいりはゆっくりと寝転がっていた身体を持ち上げる。
鼻を軽くすすり、赤くなった目元を腕で乱暴に拭う。跳ねる様に立ち上がると、かげろうに飛ばされたままになっていたオートクレールを拾い上げ、手早く点検を済ませて背に納める。
最早体の一部とも思える相棒の重さを感じ、よしと一つうなずく。

「マユミ、ぱにゃ。おいしい物食べに行きましょ!」「お~!」
「はいはい。どうせかいりはバトルステーキでしょ?」

マユミの号令を聞き、ぱにゃにゃんの呆れた様な言葉にかいりは笑顔を浮かべる。
そうだ。美味しいものを食べて、お気に入りのあの話を読んで、たっぷりと寝たら、明日からはまた修行だ。
凄まじいかげろうの強さを思い返す。身震いしそうな剣捌き。でも、あの強さに自分もいずれはたどり着き、そして追い越すのだ。
一歩一歩。進んだ足跡は、いずれアタシの伝説になるのだから。

「さあ、いきましょ!」

駆け出す。難しい事よりも、まずは今日の夕飯を目指して。

敗北を乗り越え、彼女はまた歩を進める。途方無き高みを、夢を目指して。

彼女は知らないだろう。いずれ辿り着ける。そうやって信じて途方も無い道程を歩んで行ける。それこそが彼女の一番の“強さ”である事を。
その強さが、どれ程周囲の人々を惹きつけるかと言う事を。


その“強さ”もまた“英雄”の資質足り得る事を。



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