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星辰の羅刹王

ミャジ

[ミャジ]

キャラID
: PH644-410
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 120

ライブカメラ画像

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ミャジの冒険日誌

2020-05-04 16:55:15.0 テーマ:その他

穏やかに黄金の女王に微笑む~蒼天のソウラ二次創作②~



「ロス君!アスカちゃん!居る!?」

飛び込んで来たのは、『魔法戦士団』の制服に身を包み、鳥の面の様なゴーグルが乗った帽子を被るウェディの女性だった。

「ミャジさん!?そんなに慌ててどうしたんですか?」
「良かった二人とも居た~急で悪いんんだけど、これ大至急で補填倉庫に手配して欲しいの!」

荒い息を整えながら、書類を一枚渡すミャジ。
手渡されたそれに目を通すうちにロスウィードの顔色が段々と悪くなって行く。

「大至急って・・・これ、何時までだ・・・?」
「えっと・・・そのぅ・・・今日中・・・」
「今日中!?」

申し訳なさそうに答えるミャジの言葉に、食い気味に反応する。
書類に書かれた大砲の弾等の物資は、それ自体は別段特別な物資では無い。
だが、その量が問題だった。一個師団を相手取るかの様な物資量に思わずロスウィードは目眩がしそうになる。

「そもそも、物資調達なんだからその部署に行くべきだろう!?なんで俺達の所に回ってくる!」
「いやぁ~最初はそうしたんだけど、手に負えないからロス君達も手伝わせろって蹴り出されちゃって~」
マイッタネと笑顔でのたまわれて、アスカは行く予定だったランチに内心で別れを告げる。
さようなら、新作デザート。また会う日まで。

「ロスウィード。ちょっと貸して下さい。」

返事を待たずにその手から書類を奪い取るアスカ。読み進めながら、猛然とメモを書き上げ、やけ食い気味に机に用意してあった携帯食料を口に捻じ込む。

「ミャジさん!」
「は、はいぃ!?」
「海軍の方に要請回しますので、このメモ通りに運搬を頼んできて下さい!」
「い、イエスマム!」

略式の敬礼だけして、部屋を飛び出して行くミャジを見送り、アスカはその手を伸ばす。

「ぐぇ!?」
「逃がしませんよロスウィード。貴方にもキッチリ手伝って貰います。」
「そ、そこはだな?あの海底離宮の時の様にピンチになってから助けに入るから・・・」
「もう既にピンチなんですよ。はい。ロスウィードはこのメモの部署を回ってきて下さい。・・・逃げたら分かりますよね?」

潰れたカエルのような声を上げたのは無論、逃げ出そうとしていたロスウィードだ。
有無を言わせぬアスカの迫力にコクコクと壊れた人形の様にうなずく事しか出来ない。
こと事務仕事となれば、アスカの手腕には敵わない事は重々承知している。
故にロスウィードは初手の逃走に失敗した時点で、アスカに逆らうと言う選択肢を放棄し、全力で仕事にかかる事とした。




ーーーーーーーーーーーー




「おわっっっっっったぁ!ありがとう二人とも!すぐに報告して来るね!」

騒々しく部屋を飛び出して行くミャジをグッタリと二人で見送る。
あらゆる部署から人手と物資をかき集め、何とか全てを終えたのは、とっぷりと日が暮れた夜だった。

「お腹・・・空きました・・・」

切なげにお腹が鳴く。結局携帯食料を食べてから、何も口にしていないのだから当然である。
らしくも無く執務机に突っ伏するアスカの前に、ロスウィードは皿を一つ置く。
軽い音に顔を上げたアスカの視界に飛び込んできたのは、タップリとクリームの乗ったプリンだった。

「ロスウィード!?こ、これは!?」
「なに、どうせこんな時間になるだろうと思ってな。走り回ってる間にクレアに頼んで作って貰っておいた。」

童女のように目を輝かせ、添えられたスプーンを手に取るアスカ。スプーンで突けば、柔らかい弾力が艶やかな表面から伝わる。
掬い上げて口へ運べば、滑らかな舌触りとクリームの甘さがアスカの口いっぱいに広がる。

「・・・はぁ~・・・美味しいです。」

じっくりとその甘さを楽しんだ後に、つるりと喉越しを楽しみ、ゆっくりと息を吐く。

「それは良かった。新作じゃ無くて悪いが、今日は特に助かったからな。」

心底幸せそうに食べ続けるアスカに、ロスウィードは安心した様に笑う。
アスカの好物であることは知っていたが、ここまで喜んで貰えれば贈った冥利に尽きると言う物だろう・・・作ったのはクレア【彼のコンシェルジュ】だが。

「しかし、今日は慌ただしくなりましたね。」
「ああ。補給課の連中め・・・体良く使いやがって・・・」

今に覚えていろと言わんばかりのロスウィードの言動にアスカも今日ばかりは大きく頷く。

「そうですね・・・さっきのサーカス団用の物資調達、全部彼らの管轄に投げちゃいましょうか。」
「ハッハッハ!それは良いな!サーカス団には恩を売れる。私達は意趣返しが出来る。一石二鳥だ。」

冒険者達の突飛な要求に慌てる彼等の様子が容易に想像出来る。
悪戯に胸が高鳴る子供の様に、アスカは笑う。
その笑顔のまま、再びプリンを口に頬張る。



とろけるプリンは、少しだけ刺激的な味がした。


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