第31話「サンディの謎」
天の箱舟内でサンディが泣きじゃくっていたので何事かと話を聞くリリィですが、なんでも人を殺してしまったというから物騒にも程があります。
詳しく聞くとサンディがカラコタ橋に行った時に関わった誰かが死んでしまった模様。
カラコタ橋の宿屋にリリィが向かうとそこには今にも息絶えそうな少女が寝ており、どうやらその原因がサンディにあるそうです。
ギリギリまだ生きていたと知ってサンディはリリィに助けを求め、彼女を救うために必要な世界樹の若葉を手に入れて欲しいとお願いします。
極東にある雨の島に辿り着くとなんと世界樹がリリィに話し掛けて来ます。
事情は既に把握しているようで世界樹の若葉を快くリリィに譲ってくれ、「もう一人の私をよろしく」とサンディの事をお願いと伝えて声は聞こえなくなりました。
世界樹の事は気になるもののとりあえず若葉を持ち帰ってサンディに渡すと急いで薬を調合し、大至急カラコタ橋の少女へ届ける事に。
サンディ特製のチョーすっごいクスリをその子に飲ませるとあっという間に元気になり一安心します。
女の子の母親によるとこの辺りでは若くして死んだ娘の魂は妖精になると言い伝えられている模様。
元々病気自体は大した事なかったそうですが、娘が羽の生えたガングロ妖精を見たと言い出した頃から症状が急激に悪化したようです。
カラコタ橋に一人で言った理由は結局話してくれませんでしたが、とりあえず殺人の容疑者にならずに済んでホッとするサンディでした。
サンマロウの港に立ち寄ったリリィは広場に居る学者エルクから雨の島の資料を探して来て欲しいと頼まれます。
エルクによると雨の島にある幻の樹の場所にはかつて本当に樹が生えていたそうです。
しかし何らかの理由で樹は失われ、現在は樹の幽霊だけが残っているとの事。
その仮説を裏付ける資料が欲しいとエルクは言います。
雨の島に付いたリリィは世界樹の下にボロボロの石碑があるのを見つけます。
そこには「名も無き女の魂よ 安らかに眠りたまえ」と書かれており、そこに不意に現れた神父オルヌルフがとある女性の墓標である事を教えてくれます。
オルヌルフはグビアナ城の教会の神父のようで、グビアナの神父は代々この島に眠る名も無き女性に祈りを捧げている模様。
グビアナ城に帰ったオルヌルフから雨の島のお墓についてもう少し詳しく教えて貰うと、300年程前に砂漠の北の浜に傷だらけの女性が流れ着いたそうです。
その女性は意識を取り戻してから死ぬまでずっと呪いの言葉を吐き続けていたそうで、自分を追放したガナン帝国へ相当な恨みを抱いていたと分かります。
帝国が滅びの道を辿ったのも、帝国城がある大陸が草も木も生えない不毛の大地となったのもひとえに彼女の強力な呪いが影響した為と語るオルヌルフ。
全てを呪いながら死んでいった彼女の魂を救う為に神聖な大地である雨の島に遺体を埋めて弔い、以来300年間祈りを捧げ続けているそうです。
そんな彼女は死の間際に北西にあるオンゴリの崖についてうわ言を呟いていたと教えて貰います。
船を手に入れた時に立ち寄ったオンゴリの崖に行き、幾つかのお墓を調べて回るリリィ。
爪で引っ掻いたような傷跡があるお墓を見つけると、そこにはサンドネラという女性への恨み言が書かれていました。
それによるとサンドネラはなんと皇帝ガナサダイの妃だったとそうな。
カデスの牢獄を作ったのは帝国の皇后だったと分かりますが、サンドネラは自分に逆らう者を次から次へと牢獄に閉じ込める傍若無人っぷりで、この崖にある無数の帝国兵のお墓から恨まれる程の相当な悪女だったと分かります。
雨の島にあった空にも届く聖なる大樹を気まぐれで焼き払ったのも彼女のようで、彼女の悪行に業を煮やして皇帝に訴えた末に流刑された大勢の兵士がここに眠っている模様。
そんな彼女も帝国の行く末を憂う一人の兵士が放った凶刃に倒れたそうですが、その際ある言葉を言い遺したそうです。
「私は必ず生まれ変わる・・・」
悪女サンドネラ・・・ガナサダイ皇帝が“サンディ”と呼び愛した妃への深い恨みを放つお墓にリリィが衝撃を受けると、次の瞬間お墓は大きな地鳴りと共に崩れて粉々になってしまいました・・・。
悪い皇后様も居たもんだね~。