あやねの冒険日誌

「ようやく見つけた。そうか、君があのときのマッシュスライムだったのか…」
「はい」
「どうか僕と…ぐはっ！」
「シラナミさま！」
シラナミの脳天に奇妙な生物が落ちてきました。
「ここはどこだ？」生物は言いました。
「あなただれ？」
「オレか？オレの名はベロニカッチ！誇り高きヨッチ族の戦士だ。お、気絶してるこいつがユーシャ様か。」
そういうとベロニカッチはシラナミを連れて消え去ってしまいました。


「うぷぷっ、こ、これは、気持ちいい…はっ！？」
シラナミが目を覚ましました。
「がっはっは！ユーシャ様はいい夢を見ていたみたいだな！」
「なんだお前は！？ここはどこだ？もう少しであの娘とムフフな時間が待っていたというのに！」
「元気の良いユーシャ様だ！今、この世界の歴史を記した冒険の書がまた汚されちまった！ユーシャ様なら元通りにできるはずだ！」
「なんで僕がそんなことを！？」
「つべこべ言わずに早く行け！」
ベロニカッチはシラナミを冒険の書の一つに向かって蹴飛ばしました。
「うわああああああああああ！」


リムルダールの南部にてラダトームから旅立った勇者がシルバーデビルと戦っていました。勇者はシルバーデビルの放つベギラゴンやデビルクローにフリーズクローといった技に苦戦していました。
「こんな魔物、見たことないぞ！」
勇者は驚いていました。
実は数日前、竜王の城に謎の女が現れました。
「何者だ、貴様？」竜王が問いました。

「乱祖神ピリシゾーミ様の使い、魔賢導師カルメンと申します。我が主が竜王様の御理想の実現のために戦力を授けたいとのことでございます。」
「ピリシゾーミ、いずれは我の障害となりそうだが、あえて敵の塩を受け取ることにしよう」

その竜王軍に提供された魔物がシルバーデビルだったのでした。
シルバーデビルが勇者にとどめを刺そうとした直前、ベロニカッチに蹴飛ばされたシラナミがシルバーデビルに激突しました。シルバーデビルが体勢を崩した隙に、勇者はシラナミを掴んで、ルーラでラダトーム城に撤退しました。

つづく