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蒼鎧両断の緑の者

アル

[アル]

キャラID
: CS433-198
種 族
: ドワーフ
性 別
: 女
職 業
: まもの使い
レベル
: 138

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アルの冒険日誌

2026-02-17 12:33:20.0 2026-02-17 12:37:39.0テーマ:写真活動

きゅうり色の湯けむり

山あいの温泉町は、提灯の灯りが川面に溶けるころ、いちばん美しくなる。




二匹のカッパは、そろって大きな葉っぱを傘にして橋の上に立っていた。

町は金色の呼吸をしていて、湯けむりは空へふわり、ふわりとほどけていく。 「ここ、きゅうりの匂いがしないね」

帽子を被ったカッパがつぶやくと、
大きなリボンをつけたカッパはくすりと笑った。


「今日はね、湯の匂いを食べる日なの」



ふたりは木造の宿へ入り、
赤い夕焼けが窓いっぱいに広がる湯船に肩まで浸かった。

お湯はとろりと甘く、長旅の砂をそっと溶かしてくれる。 目を閉じると、ぽちゃん、と小さな音。
それは心の中の石が、静かに沈んだ音だった。



湯あがりには、ごちそうが待っていた。

真っ赤な実、つややかな瓜、湯気の立つ皿。

フォークと箸を握りしめ、ふたりは真剣な顔。 「旅の味って、どうして少しだけさびしいんだろう」




「帰る場所があるからだよ」




もぐもぐ。



その答えは、温かいスープみたいに胸へ落ちていった


夜が深くなるころ、提灯は星と交代する。
ふたりは布団にもぐりこみ、


「明日はきゅうり、食べようか」


「うん、旅の味に混ぜてね」




明日もまた、橋の上からこの町を眺めようと約束した 温泉町は、きゅうり色の夢を見ながら、





そっと湯けむりを空へあげ続けていた。







おしまい。
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