ミラージュの冒険日誌

なりきり冒険日誌～大空を飛ぶ（３）【ややネタバレ有】

　飛竜の峰、ドラクロンの頂点を目指し、風に煽られ、つる草を掴み、一歩一歩、未踏の山を登っていく。 　岩天井のトンネルを抜ければ、空が見える。と、...

なりきり冒険日誌～大空を飛ぶ（２）【ややネタバレ有】

　天を、食い破ろうというのだろうか。 　私の目の前で、一匹の竜が空を仰いで大顎を開いていた。 　その牙がひとたび噛みあわされれば巨岩さえ容易く...

なりきり冒険日誌～大空を飛ぶ（１）

　伸びやかに四肢を広げて、全身で喜びを表す仔竜。 　ここしばらく見ていなかったとびきりの笑顔が見られて私も嬉しい。 　願わくば、ソラよ。その笑顔...

なりきり冒険日誌～その男、黒渦

　バザーに並んだ蛇皮のコートに視線をやる。 　少々成金趣味を思わせるデザインだが、ヴァイパーの名は伊達ではなく、毒刃を潜ませるための隠しポケット...

なりきり冒険日誌～職人探訪・グレン編

　職人の姿を求めて、今日も今日とてアストルティアを巡る。 　今回取材対象としたのは、冒険者にとっては非常になじみ深い街である。 　……もっとも、...

なりきり冒険日誌～職人探訪・ガートラント編

　山を見上げる。 　そびえ立つ無骨な岩山は、その名をガートラントという。 　こうして改めて外側から眺めてみると、ガートラントの街は、まさに山をく...

なりきり冒険日誌～モグラを追って（５）【ver2.2 ネタバレ有】

　アラハギーロの現在の兵士長はアブタル氏という。 　穏健派で知られる人物で、我々のような他国の者が自由に活動できるのも彼の人柄によるものが大きい...

なりきり冒険日誌～モグラを追って（４）【ver2.2 ネタバレ有】

　空を見上げる。 　色とりどりの光がアラハギーロの空を彩る。 　Ｗ氏主催による花火大会が今年もやってきた。 　夜だというのに空はまぶしく輝き、...

なりきり冒険日誌～モグラを追って（３）【ver2.2 ネタバレ有】

　足元に砂の海、頭上には天の河。遠く地の果てには光の河が夜を照らす。 　水のない海と河の間に魚一匹。冷たい風がヒレを叩き、私はコートの襟を整え...

なりきり冒険日誌～モグラを追って（２）【ver2.2 ネタバレ有】

　アラハギーロに月が昇る。アルハリアン・ナイトとでも呼ぼうか。そよぐ風がオアシスの水面を揺らし、屋外に設けられた飲食店のテーブルまで届く。酒場...

なりきり冒険日誌～土竜を追って【ver2.2ストーリー前半、ややネタバレ有】

　異国情緒、というのだろうか。 　天井に覆われた無骨な石畳の地面に、エキゾチックな柄の絨毯が敷かれ、淡い照明と滑らかにたわんだ飾り布が、仄暗くも...

なりきり冒険日誌～メギストリスの休日（３）

　職人施設を後にする。 　この街の代表的な職人は先ほどの二名といったところのようだが、もう一人、職人ではないが、それに近い人物としてサロン・フェ...

なりきり冒険日誌～メギストリスの休日（２）

　メギストリスの西地区に設置された裁縫施設。 　扉をくぐると……この国で扉をくぐるたびに、住人の大半がプクリポだというのにウェディの私がくぐるの...

なりきり冒険日誌～メギストリスの休日（１）

　酒場からは仲間を募る旅人たちの声。壁際には、美味しい話を売り込む男と、彼の前に一列に並んだ冒険者。 　メギストリスの町はずれ、街道にほど近い広...

なりきり冒険日誌～とある魔法戦士の夏（２）

　ヴェリナードの街を貝のように包む白亜の宮殿は別名を水の宮殿とも言う。 　至る所に張られた水の流れが、見る者の目を潤す。 　その水を震わす凛と...