ミラージュの冒険日誌

なりきり冒険日誌～とある魔法戦士の夏（１）

　浜辺を打つ波の音を、潮風が運んできた。 　太陽もご機嫌。このところ、ずっと上機嫌だ。よほど良いことでもあったのだろう。燦々と照り付ける日の光...

なりきり冒険日誌～その男は言った、ヌイヌイ、と

　石畳が熱を照り返す。だが汗が額を伝うのは、太陽のせいではなかった。 　針を持つ手がピクリと揺れた。 　私は今、窮地に立っていた。 　左手を布に...

なりきり冒険日誌～太陽と隼の語り

「名前に"ぢ"と"が"のつくプクリポ女性とすれ違ってください」 　コンシェルジュは平然とそう言って私に小箱を手渡した。 　箱は手のひらに収まる...

狩るもの狩られるもの？

フレもすなる討伐数調査といふものを、我もしてみむとてすなり。 というわけで、フレンドの間で最近流行っている「自分の討伐数ランキング」を、私も...

大災厄と、人の呼ぶ

久しぶりに普通の日誌です。 ほむさん主催、ダイスで災厄、通称大災厄に参加してまいりました。 各メンバーの職業をダイスで決定し、低レベル職でも装...

なりきり冒険日誌～フクロウの瞳（４）【賢者クエ　ネタバレ有】

　本に囲まれた空間には、独特の匂いがある。 　椅子に背を預け、その空間に溶け込んで書と一体になるとき、私は外界から切り離され、奇妙な安らぎと共に...

なりきり冒険日誌～フクロウの瞳（３）【賢者クエ　ネタバレ有】

　学問というのはパスタに似ている。 　グルグルと複雑に絡み合い、その一本一本を解きほぐすことは難しい。 　仮に解きほぐしたとしても、一本だけを食...

なりきり冒険日誌～フクロウの瞳（２）【賢者クエスト　ネタバレ有】

　ひと騒動あって、再びフクロウのお膝元へ。賢者の学院は今日も忙しく、小さな賢者は今日もウウムと唸る。 　アーニアとシェリルの対面は、やはり穏便...

なりきり冒険日誌～フクロウの瞳（１）【賢者クエスト　ネタバレ有】

　書物のページをめくる音がひらりと舞えば、メモを書き取る音が小人の足音のようにそこかしこを行き来する。 　時折、議論する男女の声が壁の向こうから...

なりきり冒険日誌～賢者ルシェンダ（２）【ver2.1ストーリー　ややネタバレ有】

　賢者の執務室。 　これといって目立った装飾もない、清潔だが質素な一室だ。 　いや、そうではない。 　執務机に向きあい、足を組んで物思いにふける...

なりきり冒険日誌～賢者ルシェンダ（１）【ver2.ストーリー】

　白か黒かと人は問う。答えを求めてひた走る。 　過ちの刃は常に、真実の名のもとに振り下ろされてきたというのに。 　鏡に映る虚像が、己の本当の姿を...

なりきり冒険日誌～失われた時を探して【配信クエ　ネタバレ有り】

　明るすぎる月明かりが海辺に打ち立てられた巨大な墓標を照らす。天が定められた軌道の通りに廻るならば、人もまた同じか。 　歓喜、苦悩、勝利、挫折...

なりきり冒険日誌～ソーラリア探索（３）【新エリア画像バレ有】

　夜の空気を優しく潤す雫のように、きらめくものが私の視界を横切った。 　一瞬、目の錯覚かと思ったが、そうでないことはすぐにわかった。 　神殿を覆...

なりきり冒険日誌～ソーラリア探索（２）【新エリア画像バレ有】

　飛沫が空を舞う。ミルクのように真っ白な滝が水路へ向けて注ぎ込む光景は、なかなかに見ごたえのあるものだった。 　水溢れるリャナの風土を色濃く反...

なりきり冒険日誌～ソーラリア探索（１）

　流れる滝の上に立ち、滝を臨む集落を逆に見下ろす。 　さらさらと流れる水の音が、初夏の空気を涼やかに変えていった。 　レンダーシアの南東部にあ...