ミラージュの冒険日誌

スイの社にて(前編)【注：ver6.1までのストーリーに関する記述有り】

　エルトナ大陸中央部。風の都アズランの南に、霧深い湿原がある。 　丈の長い草花が鬱蒼と生い茂り、空は白い靄に覆われて視界も悪い。 　だが一日に数...

謹賀新年2023

　明けましておめでとうございます。 　旧年中は私のつたない創作日誌やなかなか上達しないバトルにお付き合いいただき、ありがとうございます。 　...

魔法戦士と渦中の王たち(15)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　こうして、ジュレイダ連塔遺跡の悪霊騒動は幕を閉じた。 　報告書を書きながらトレジャーハンターのテゾーロ氏にことの次第を説明すると、氏は大いに頷...

魔法戦士と渦中の王たち(14)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

「お前は私が許せんだろうな」 　亡霊は、おぼろな指先で私の腰の鞘を指さした。 「その剣で私を斬るか？ ……フム。既に肉体は消え失せたが、魔...

魔法戦士と渦中の王たち(13)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　地の底に沈んだ連塔遺跡に、静かな風が吹いた。 　罪科を問う言葉がその風に乗って、亡霊の朧な輪郭を揺さぶる。 　何故殺した。何故罪を犯した、と...

魔法戦士と渦中の王たち(12)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　古く、半ば朽ちた燭台に火を灯すと、カビ臭いチリが舞い上がる。青白く染まった遺構に私自身の影がゆらめき、薄暗い地下墳墓に無数の棺が浮かび上がった...

魔法戦士と渦中の王たち(11)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　遠くに波の音が聞こえる。夜空のように深い青に染まった海面は、今は我々の頭上。揺蕩う水の奥深く、海底より暗い記憶の底で、一つの歴史が紐解かれよう...

魔法戦士と渦中の王たち(10)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　再び剣の嵐が我々を襲う。先ほどよりも強く、激しい。 　この嵐を静め、セーリア様を始祖の元へ導くこと。それが我々の勝利条件である。 　容易いこと...

魔法戦士と渦中の王たち(9)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　剣の雨が頭上を覆う。 　英雄とその仲間たちが真っ先に矢面に立ち、刃の群れを相手取る。だが全てではない。溢れた憎悪が王子とセーリア様をめがけて、...

魔法戦士と渦中の王たち(8)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　刺すような冷気が私の四肢を貫いた。紫紺の瘴気が障壁となって侵入者の前に立ちふさがる。 　嫌悪。拒絶。そして怒り。ここまで到達した冒険者たちが、...

魔法戦士と渦中の王たち(7)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　王子は想像以上に思いつめた様子だった。虚空にそびえる白亜の宮殿。その頂きに向かって独白するように言葉を絞り出す。 「生まれながらの身分ゆえ...

魔法戦士と渦中の王たち(6)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　コツリコツリと固い足音が響く。夜風に紛れた潮の香りが、懐かしい記憶をくすぐる。そしてそのあまりに馴染んだ感覚が、決定的な違和感となって我々の全...

魔法戦士と渦中の王たち(5)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　我々は始祖の記憶に触れながらその深奥へと進む。コルレーンの貧しく素朴な風景を歩いていたかと思えば、いつの間にやら王宮へ。あるいは荒野へ。 　混...

魔法戦士と渦中の王たち(4)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　それは、貧しさを絵にかいたような光景だった。 　ヒビ割れた大地に茂るのは雑草ばかり。田畑に植えられた作物はどれも力なくしなびて、実らぬままに...

魔法戦士と渦中の王たち(3)【注：ver6.1までのストーリー記述有】

　嵐の海を、船がゆく。その船体は逆巻く荒波に隠れてしまいそうなほど小さい。荒天。雷鳴が響く。王子は厳正な口調で前進を命じた。船乗りが即座に応じ...