ミラージュの冒険日誌

バトル・オブ・サバ・カン(14)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　かがり火がチリチリと音を立てる。石畳を赤々と灯し、ターゲット人形の影を揺らす。 　物言わぬ案山子は手招くようでもあり、嘲笑うようでもあり、その...

バトル・オブ・サバ・カン(13)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

「アスカリー家当主、ナビール・アスカリー、逮捕……か」 　速報紙に太文字が躍る。私はその文字を眺め、そして踊る人々に目をやった。右へ左へ。大...

バトル・オブ・サバ・カン(12)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　立ち並ぶ古い壁が陽光を阻み、市街に闇を生む。 　その闇の中、危険な輝きを手に姿を現した男はライハーナを追い詰めるようにじわりとにじり寄り、振...

バトル・オブ・サバ・カン(11)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　中央広場から枝分かれした道をたどると、古い市街へとたどり着く。壁を伝う飾り布もどこかくすんでぼやけて見える。アマラーク城の赤屋根はここからでも...

バトル・オブ・サバ・カン(10)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

「おいっ、何だよこれ！」 　会場の片隅で誰かが叫び、スープをぶちまけた。 　誰もがそちらに注目する。叫び声をあげた男は口元を抑えて苦しそうに...

バトル・オブ・サバ・カン(9)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　試食会当日。 　広場は大勢の市民でにぎわっていた。 　石畳を踏みしめる老若男女の靴の数々。見事な刺繍の施された布飾りが広場を彩り、荘厳なるアマ...

バトル・オブ・サバ・カン(8)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　その夜……。 　少々遅めに道場を出た私は、会場の様子がなんとなく気になり、宿に戻る前に中央広場に立ち寄っていた。 　華やかな試食会の会場はほ...

バトル・オブ・サバ・カン(7)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　再び、地下闘技場。夕刻を過ぎてなお、熱気渦巻くジーガンフの道場。試食会準備の合間を縫って、私の修行も続いていた。 　今回は木剣ではなく徒手空...

バトル・オブ・サバ・カン(6)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　試食会の準備はつつがなく進められていた。 　中央広場にテントが張られ、各種の設備が整えられていく。 　せわしなく動き回るのはドルワーム研究院の...

バトル・オブ・サバ・カン(5)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　地下訓練場に灯火が揺れ、少年は紅潮した頬を輝かせながら嬉々として語り始める。 　ジーガンフや"エックス隊長"と隊伍を組んでの、フーラズーラとの...

バトル・オブ・サバ・カン(4)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

「随分と……大変な戦いだったそうだな」 「うん……」 　少年はこくりと頷いた。土壁からじんわりと漂う湿気が背中にまとわりつく。 　私も話には...

バトル・オブ・サバ・カン(3)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　土壁から伝わるひんやりとした空気が、室内の熱気と衝突し、溶け合ってゆく。剣劇の音と気合の声が響くアマラーク地下訓練場。私はその一角で剣を構え、...

バトル・オブ・サバ・カン(2)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

「サバカン！これは素晴らしい」 　リズク王は端正な細面の顔に少年のような笑みを湛え、家臣らを振り返った。 「味もいいし栄養価もありそうだ。...

バトル・オブ・サバ・カン(1)～なりきり冒険日誌【注：ver7.2までのストーリーに関する記述あり】

　美しいハープの音色に、食器とスプーンの触れる音がかすかに混じる。石造りの客間。決して広くはない。無骨な石壁は豪奢な宮殿よりは、むしろ堅牢な砦を...

魔法戦士、南へ（８）【注：ver7.2までのストーリーに関する記述有】

　旅は続く。 　地図が正しければ、あと数刻でシュタールと大陸を繋ぐ架け橋にたどり着くはずだ。その先はタービア草原。いよいよアマラーク王国が近づ...